講義中の密か

その講義は、評価をレポート三本で決める、かなり手抜きな講義でした。
すでに三本目のレポートを書き終え、実質的に講義を受ける理由もなくなった私は、
教官に隠れて文庫本を読んでいました。本の感想は後日書きます。
教官の顔をうかがいながらこそこそ本を読む私に、隣の席の友人が一言。
「そんなに本読みたいなら講義出るなよ」
ごもっとも。
高校の授業じゃないから出席もとらないし、私の行動は不可解以外の何者でもありません。
でもまあ、いいじゃないですか。
隠れて本を読むというのはちょっとした背徳感に浸れて、ベンチに寝転がって読むのとは違った感触です。
試験前だからといってノートをめくるような、無粋な行為とは次元が違うと考えております。
いや、教官にとっては同じか。