それは晴れた時計

GARNET CROWの新曲「晴れ時計」がお披露目になったので、例によって例のごとく例のように、曲を私なりに解釈します。
まず、タイトルからして意味不明です。
「晴れ」と「時計」という、意図不明の組み合わせです。
しかし、作詞担当のAZUKI七さんは、まったく意味の無いフレーズを作ることはありません。何らかの意図が隠されているに決まっています。
そこで、晴れ時計で検索したところ >ギャラリー小山さん所蔵のこの絵< にたどり着きました。
レイモン・ペイネという方が描かれた絵です。タイトルは「愛の晴れ時計」。
一見単純な、それこそ絵本か何かの挿絵みたいな感じですが、左側に立つ女性の胸部が明らかに不自然です。
そこだけ四角で切り取られ、服の中身があらわになっています。その上、その四角形には傘がかかっています。
すなわち、この傘のかかった四角形が「晴れ時計」なのです。
この絵を見つけて、私は謎が解けた気がしました。
ちょっと飛躍するかもしれませんが、時計とはすなわち、心臓をさすのではないかと思います。
時計の時を刻む音と、心臓の鼓動をかけたわけですね。
時計を心臓と仮定した場合、心臓が「晴れる」とは取りも直さず不安の解消を意味します。
心の不安の解消を詠ったのだと思えば、晴れ時計という一見理解不能な言葉も、実は秀逸な一言なのではないでしょうか。
この絵の持ち主であるギャラリー小山さんは、東京の自由が丘にあるので、果たして関西在住のAZUKIさんがこの絵をヒントに詩を書いたのかはわかりません。
それにしても、ノヴァーリスといい、ベイネといい、メルヘヴンみたいな子供向けアニメの主題歌に使っても絶対誰にもわからなそうなものを題材にするあたり、この作詞家はどこからインスピレーションを得ているのか、油断がなりません。
なんだか歌詞についてばかり書いていましたが、曲自体もなかなかのものです。
リズム感があって、ガネの真骨頂発揮といったところでしょうか。