延期も中止もないとか

他人様の決定にケチをつけるのは大好きですが、ことがわが身に及ぶと俄然まじめにケチをつけたくなります。
明後日からの大学祭にGO!サインが出てしまいました。このはしか大流行のさなかにです。
私はこの決定にかかわっておりませんが、かかわっていたら会議の席で間違いなく異を唱えていたでしょう。まあ、大学祭の実行委員会の会議は結論ありきで、いかにそれっぽく法定伝染病の防除をしている態度を見せるかの相談に終始していたことは想像に難くありませんけれど、それでも、断固として私はこの決定に不満を表明したいと思います。別に大学祭をやりたくないのではなくて、あくまで健康面と歌劇団の運営に配慮した上でです。
まず一つとして、防疫の手法が貧弱。

企画に参加するものは、

  1. 予防接種を受けたことがある
  2. 過去にはしかにかかったことがある

のいずれかの条件を満たさねばならない。
そして、母子手帳などでそのことを証明せねばならない。

この実質ザルに等しい条件付けで何を防ぐつもりなのか。
予防接種は2回くらい受けないと効果がないと言われているのに、回数は不問ですから抗体が出来ているのか怪しい人でも参加できます。よくわからない人は、とりあえず昔はしかにかかったことがあると申告して、後は感染しないことを祈りつつ参加するという方法も可能です。抜き打ち検査もやるという話ですが、例年ただでさえ人手不足の実行委員が、どれほどの検査を出来るかという疑問符もつきます。
そもそも、母子手帳そのものを携帯するならともかく、コピーでよいなどといったら、偽物を作り放題じゃないですか。予防接種のページに本人の名前は書かれていませんから、何枚かをみんなで使いまわしたりすれば、忙しい実行委員は「コピーあるのね?あるならおっけい」のような検査になってしまう恐れもあります。そもそも、実行委員は目立つはっぴを着ているのですから、後ろめたい人ははっぴから逃げ回っていれば何とかなってしまう。
そして、当たり前ですけれど外部から来るお客さんにはこんな条件はついていませんから、他の大学から遊びに来た人が最初からはしかを保有していれば、そういった免疫のない人を中心に爆発的に感染が広まります。
早い話が、感染する可能性のある人を構内に入れないなど不可能ですし、既に感染している人を拒むことができない。
はしかの恐ろしいところは、感染してから発症までに一週間以上の時間がかかるということで、自覚症状のない感染者が大手を振って歩き回り、人ごみの中で病原体をばら撒けるということです。そして、お祭りというまさにうってつけの場所が、今まさに形成されようとしているのです。そして、大学祭で一人でも新たに感染した人がいれば、その人づてに大学祭の終了後に素直に大学祭に参加しなかった人が感染することもありうる。


もちろん、何の幸運か特にはしかの患者が増えることもなく、一週間後を迎える可能性もあるのですが、下手をすれば再来週にでも膨大な数の感染者を出して大学閉鎖という可能性もあるのです。
これはまずい。なにしろ、大学が閉鎖になったら練習ができない。
大学が閉鎖になれば、当然サークル活動も出来ません。こっそり集まるという可能性もありますが、急に閉鎖になったら練習場所を確保できませんし、ニュースにでもなれば練習会場を貸してもらえない恐れもあります。
そうならないことを切に祈りますが、私の力ではどうしようもありません。
賽は投げられたのです。だいぶ分の悪いかけのような気もしますが、私の嫌な予感が外れることを期待するしかありません。