歌詞

和歌は圧縮された情報であり、平安の詠み手はエンコーダ、後世のわれわれはデコーダであるなんて思うようになってしまい、ちょっとがっくり。
和歌に限らず名作と呼ばれるものは、基本的に情報量が多いですね。
いや、名作でなくとも古今東西、人気のあるものは情報量が多いのです。
それを思うと、テンポの速い(=デコードに時間をかけられない)曲が多く、せっかちな人が多く(=圧縮率が高いと受け付けない)、おまけにそれを意識したアーティスト(=圧縮率の高いものを作れない)が多い現代に日本語の歌詞はどうしても不利なんでしょうね……。
商業上そうせざるを得ないとはいえ、歌謡曲が歌詞以外の情報量を増やして相対的に低圧縮率で容量を食う情報を世に出し続けているのは、ちょっと残念。そして、それに育てられたせいか圧縮率の高いものに耐性のない人が多いのは、もっと残念。