発掘・再発見

論文検索、人呼んでサーベイというのですが、近頃はグーグルスカラーなんて検索サイトもできたり、論文検索用のサイトができたり、論文誌のウェブページで創刊号以来の論文の検索が出来るようになったり、なにかと過去の研究を穿り返すのに便利な世の中になっています。
インターネットが出来る前はどうやってたんでしょうね。図書館にこもって論文誌の目次を片端から当たっていくって、とても大変だったと思います。


先日、私と話していた時に教授が「この人がこれこれこういう研究をしていて論文が出ていたはずですから、調べてみたらどうですか」と、関連研究の研究者の名前を挙げたのです。
研究者の方のウェブサイトに行けば文献リストがあるのですが、なにぶんキャリアが長ければ発表文献のリストも増える。日本人の研究者の場合は、それに加えて日本語論文と英語論文を分けて載せているので、なかなかに難儀。2000年くらいまでの発表文献のリストを読んだのですが、それっぽいものは見つからず*1。そこで、論文検索サイト*2に、著者名と引っかかりそうなキーワードを放り込んで検索。
・・・あった。
92年だよ!私まだ小学校にすら入ってない時代の論文だよ!


仮説は2つ。
1:うちの教授はやたらと記憶力がいい
2:うちの教授の知識は90年代で止まっている
出来れば前者であって欲しいなぁ・・・


いや、もちろん、それ以降も関連研究は進んでいて、最近も海外で論文が出ているのですが、私の研究に直接関連してくるような使い方をしていない。
・・・ふむ。
私のやってる研究Aと、この関連研究B、両方を統合するっていう論文、ないのかなぁ?
探している限りだと、96年にイタリア系アメリカ人の研究者が「シミュレータ上ではできるっぽいぞ!」っていうレターを出したっきり*3みたいなのだけど・・・


いやおかしいって。絶対誰かやってるって。
M2の院生が気付くんだから、絶対誰かやってるって。
と、中間発表前の貴重な時間をサーベイに費やし、発表資料を書く時間が少し削れちゃったりした。まあ、このサーベイの結果も資料に反映させるから無駄ではないのだけど。
これ*4ホントに誰もやってないの?

*1:大抵の研究者は共著で論文を沢山出しているので、本人が全部を書いたもの以外のものも発表文献のリストに並んでしまう。

*2:CiNiiというサイトがある

*3:この研究者は、翌年以降一本も論文を出していないので、引退したっぽい。

*4:「これ」の中身を具体的に書くのは大変なので「これ」とする。