おせちひどいの件に見るトラブルとウェブの親和性

グルーポンで買った1万円のおせちがひどいという話が、正月早々の初笑いをもたらしてくれましたが、この騒動を見ながらトラブルとウェブの親和性についてちょっと考えてみました。


おせちひどい騒動というのは「通常2万円のおせちが半額!」と銘打ってグルーポンと飲食店が売り出したおせちが、とてもじゃないけどおせちとは言いがたい状況だった、というもののことです。
実はつぃったで社長自らがおせち調理の模様をつぶやいていて、さらにそれがまとめられていたりして(新春おせちテロ?グルーポンで買った悲劇の1万円おせちはこうして作られた)、中々面白いです。その様子を見ると、慣れない作業に調理機材の故障が重なったりとか色々不幸があったんだろうなぁと思う反面、社長がその場に居ながらあえてあのようなおせちを発送したのは何故だろうなぁとか感じさせられます。
同じつぃった上で、弁当屋の経験がある人が、おせちの原価率を考えると半額セールはそもそも無理だと語っているのを見ると、そもそもの見通しが甘かったんじゃないのかという気もします。
こうしてみると、色んな情報が後からいつでも探し出せるので、野次馬に優しい世界になったものです。


それはさておき、この半額おせちというのは実は5百食しか売られていないので、被害者は高々500人ということになります。勿論、少なくない数ではあるのですが、その割にはネットでは中々騒ぎが収まらなかったり、マスメディアでニュースになったり、横浜市消費者庁がぞろぞろ出てきたりと、何やら大げさだなぁという気がしないでもありません。
ここまで大事に至ったのは、このトラブルとウェブの親和性が高かったからじゃないかなと思うわけです。
たとえば、第一報の記事の写真が、Gigazineの格安おせちとかだったら、多少は反応が違ったと思うのです。
この手の「話と違う!」というトラブルでは「騙されたやつが悪い」と主張する人が少なからず出てくるものですが、今回は余り見かけません。中身がスカスカでとっ散らかっているのが明らかな写真が最初からあったために、そういう主張が圧倒的に減ったのではないでしょうか。
また、食べ物という、誰もが関心を持つテーマだったことも、そういう主張を減らした要因かもしれません。例えば、これが福袋とかだったら、無関心な人がもっと多かったのではないでしょうか。


ウェブは、文章や写真、動画を一度に見ることが出来る便利なツールです。上手く活用すれば、無関係、無関心な人に自分の主張を届けることが出来ます。その上手い活用というのは、分かりやすい図表とタイトル、直感的に理解の出来るテーマといったところでしょうか。ごちゃごちゃと説明を書き立てるよりも、写真を一枚載せるだけのほうが、はるかに説得力が増すのです。
「食品」という誰もが関心のあるテーマで、状況を分かりやすく伝えた第一報は、不謹慎ながら実にいい事例だと思います。