みんなで入試問題を解・・・けるの？
京大の入試問題が、試験時間中にヤフー知恵袋に載せられていた問題。
個人的には色々と謎があるのでとりあえず列挙してみます。
最初の謎は「こいつはマジで京大に入りたかったのか」
東大や京大の入試における数学の問題って、解答欄に答えの数字を書き入れればいいというものじゃなくて、きちんと答案を作らないといけない記述式です。逆に、最後の答えが間違っていても、途中まで合ってれば部分点がもらえる。しかも、4教科あるので、仮に数学や英語の出来がイマイチでも、他の教科がそれなりに出来れば合格の芽があるわけです。
それに対して、ネット越しでなくともカンニングがばれれば一発退場なので、余程切羽詰らなければ、カンニングしてもいいことは何もないのです。今回、ヤフー知恵袋には試験開始後わりとすぐに投稿されており、最初からカンニングを前提とした印象があります。というか、他の大学の入試や、予備校の模試でも同様の手口をしていることからして、最初からこの手口で入試に臨む意思を持っていた感じです。
それで大学に入れる、と思うほどの浅はかな人間、あるいは切羽詰った人間にしては、誤字脱字もないどころか、数学の式の書き方とかもきちんとしています*1。受け答えもきちんとしていることからして、京大に入るためにカンニングしているというよりは、カンニングするために入試を受けているという印象です。
次なる謎は「こいつはどこまで回答を当てにしていたのか」
ヤフー知恵袋に書き込まれた質問と、その回答を見ていたのですが、回答者の答えは時々間違っています。質問者は「ありがとうございました」と礼を述べているものの中にも、参考にならない回答があります。また、質問を書き込んでから回答を得るまでに時間がかかるわけで、それを答案用紙に書き写す時間を考えると、時間的な限界というものがあると思います。何度もヤフー知恵袋でカンニングしていたのであれば、回答の「だいたいの正確さと迅速さ」の予想がつくと思うのですが、果たしてあてになるほどのものなのでしょうか。
二時間の数学の試験時間の中で、最初にあてになりそうな回答が寄せられるまでに開始から40分かかっています。答案用紙に写す時間や正確さ、周囲の目を考えると、それほど効率が良い作業という気がしません。
あと、やっぱり気になるのは「試験監督は何を見ていたのか」でしょうか。
一つや二つならいざ知らず、結構な数の入試で同一人物がヤフー知恵袋に質問をしています。つまり、それらの試験では試験監督が十分に監督していたわけではなく、ましてや周囲の受験者も何も言わなかったということになります。
試験会場にもよりますが、いくら間隔をあけて座らされているとはいえ、自分の前や左右の受験者が携帯をいじっていたら、さすがに気付きます。階段教室のように段差がついていれば、なおさら。
なので、監督体制がザルであることは明らかになりましたが、それにしてもどこの大学もザルだったとは、悲しい限りです。恐らく、質問者は他の大学も受けていて、監視の目がきつくて書き込めなかったところもあったのだと思いますが、どこの大学を受けてカンニングできなかったのか、気になるところです。
最後に「単独犯か複数犯か」
問題文の数式や英文などを携帯電話やスマートフォンの類から書き込むのは結構練習しないと難しいので、実は犯人は二人以上いて、試験会場にいた人物は問題用紙の写真だけ撮って*2メールで転送し、別の人物がそれをヤフー知恵袋に投稿する、といった手分けをした可能性も有ります。あるいは、回答者の一部もグルだった可能性もあります。そうすれば、先に挙げた正確さや回答時間の制約が一部軽減されます。
ですが、そこまでするなら、もうちょっとうまくやれた気がします。少なくとも、公開の掲示板ではなく、レンタルのプライベートな掲示板やチャット、あるいはメールの一斉送信だけで何とかなるのではないでしょうか。その方がばれにくいですし。
犯人は未だ明らかではありませんが、野次馬的予想をすれば、単独犯で悪戯目的、進学先の大学は推薦か何かで既に決まっていたので、暇をもてあました上での犯行。
それにしたって、大学の側も警察に訴えるほどの大事ではないと思いますけどね。試験監督がぼおっとしてないで、ちゃんと見回ってれば悪事も起きなかったんじゃないでしょうか。いや、だからといってカンニングの悪さは変わりませんがね。
これを機に試験監督の人数が増えたりしないかな。
多分足りない人では学生のバイトで補うことになると思うのですが←
