バッシングしたいために何でも有りになる人たち

芸能人が親を扶養してなかったことについて、とりあえず水に落ちた犬は死ぬまで叩けばいいよね的なノリでバッシングしてる人がつぃった上で流れてきたりして大変面倒くさいわけであります。
つぃったの、というかインターネットの不自由なところは「見たくない部分だけ見ない」ということができない点ですね。おまいら見苦しいからやめろって言うと確実に火の粉が飛んでくるっていうか面倒くさいことになるので、見ないという選択肢を採らざるを得ないわけです。でも積極的に見ないというのは難しいので、やっぱり見えてしまう、みたいな。
以下、見かねた事例

某芸能人は民法第八百七十七条(直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。)違反

「扶養する義務がある」をきっちり守ろうとすると、下手したら両親とその祖父母の合計6人に加えて自分の兄弟姉妹を養わなきゃいけない人とかが出てきて大変なわけです。そうすると自分の給料がいくらあっても一族郎党なんとか自力で食って行ってくれないと困ってしまうので、おのずから限度ってものが必要かと思われます。
幸いにして、民法には第八百七十九条(扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。)で「幾らどんな形で仕送りしても、お互い文句なきゃいいよ」としか書いていないように読めるので、合意の上なら仕送りゼロ円でもいいのかと。もちろん、びた一文渡さないとなるとケチンボの誹りは免れませんが、それはあくまで道徳の問題であって法律に違反してるってわけではないと思います。

某芸能人は放送法第四条違反

放送法第四条ってのは
「放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

  1. 公安及び善良な風俗を害しないこと。
  2. 政治的に公平であること。
  3. 報道は事実をまげないですること。
  4. 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」

で、どうもこの「善良な風俗を害しないこと」というところを持ち出したいようなのです。
親に仕送りをしないのが善良な風俗を害していないかって言われるとよくわからないですが、法律の主語は「放送事業者」なので、出演してるだけの某芸能人をこの法律で裁くのは無理じゃね?

不正受給問題を取り上げた議員を批判するのは、不正受給者を利しているので一切の批判はまかりならん

いやあのその、得点は認めるが失点は認めないってのは民主主義の崩壊というかファシズム一直線というか北の将軍様というか。


国会議員が芸能人呼び出して記者会見と返金を要求しちゃったあたりから、引っ込みがつかなくなったんですかねぇ。なにしろ、法令違反なら「議員がしゃしゃり出てきて解決する」のは真っ黒アウトですし、倫理上の問題なら「議員がしゃしゃり出てきて口を出す」なんて余計なお世話というか押し付けがましいにもほどがあるわけで。
なんにせよ、某国会議員は「これを機に」親族の扶養を義務化したり、生活保護費を削ったりしようと目論んでおり、積極的に生存権を否定してどうすんのって感じです。倫理とか道徳とかの問題を持ち出すと価値観の固定につながって、それはそれでよろしくないですし、法律でそれを決めるのも困りものです。