1812

チャイコフスキーの有名な曲に序曲1812年という曲があります。

超大雑把に解説すると、ナポレオンがロシアに攻めて来たーロシア勝ったー万歳ー、っていう曲です。
で、曲の最後の方に大砲が出てくるシーンがあります。楽譜に「大砲」って書いてあるのです。コンサート会場では録音を使ったり大太鼓で代用したりしますが、普段から大砲を使ってるということで自衛隊が野外コンサートで実演したりもしています。
ところで、当たり前ですが、1812年当時の大砲は現代の大砲と全然違います。現代は煙がそれほどでない上に燃焼速度の速い火薬を使いますし、火薬も砲の後ろ側から蓋を開けて弾込めをします。しかし、1812年ならば火薬は燃焼速度のやや劣る黒色火薬を使い、筒の先から火薬を入れる前装式の砲を使うことになります。そうすると、作曲者が想定していた音や聴衆に与えたかった効果もやや違うのかな、とか想像できるわけです。
いつか趣味の人が前装式の砲と黒色火薬を使って1812年を演奏しますように。