電気料金の比較

明日博士論文の審査(一回目)なのですが、現実逃避に電気代のシミュレーションなんてものをやっていました。準備はちゃんとしていますけど、何か集中力が切れたあたりに電気料金のプランを比較してみたのです。簡単な比較なのであくまで参考にしかなりませんけど。


電力会社としては、昼間は工場などの電力需要が大きいので、昼間の負荷を減らすためにも夜間や休日に使う人を増やしたい。なので、昼間は割高だけれど夜間や休日は割安という料金の契約を作るわけです。
以下では東京電力の2014年1月22日現在、40Aで契約した場合の料金を使いますが、一般的な契約である従量電灯Bはこんな感じになっています。

基本料金 1,092円
120kWhまで 18.89円/kWh
120kWh以上300kWhまで 25.19円/kWh
300kWh以上 29.19円/kWh
例えば、一ヶ月で200kWh使った場合、電気料金は以下のようになります。

基本料金(1092円) + 18.89円/kWh × 120kWh + 25.19円/kWh × 80kWh=5374円

さらに燃料費調整などで料金は変動しますが、概ねこんな漢字に計算されます。


これが、土日お得プランという料金の場合はこのような感じになります。

基本料金 1,092円
月曜〜金曜の合計が90kWhまで 20.39円/kWh
月曜〜金曜の合計のうち90kWh以上230kWhまで 27.20円/kWh
月曜〜金曜の合計が230kWhを超える分 31.41円/kWh
土曜日と日曜日 20.12円/kWh
この契約の場合、月曜日から金曜日までは普通の契約に比べて割高ですが、土曜と日曜は割安になります。もちろん、一ヶ月の消費電力量が120kWhを下回るような家ならば従量電灯Bの方が得なのですが、平日に家におらず、土曜日と日曜日は家にいて掃除や洗濯もまとめて休日にやる、という家庭ならばこちらの方が得になるわけです。


同様に、半日お得プランという契約もあって、こちらは午後9時から午前9時までの使用料金が割安です。
基本料金 1,260円
午前9時〜午後9時の合計が70kWhまで 27.59円/kWh
午前9時〜午後9時の合計のうち90kWh以上170kWhまで 36.79円/kWh
午前9時〜午後9時の合計が170kWhを超える分 42.49円/kWh
午後9時〜午前9時 12.24円/kWh
従量電灯Bと比べると、午前9時以降の昼間は電気料金が凄く高い代わりに、午後9時以降の電気料金はとても安いことが分かります。他にもいくつか割引の契約があるのですが、あまり数が増えても収拾が付かないので今回はこの3つで比較したいと思います。せっかく割引があるのだから自分が得するような契約にしたいわけですが、さて、どれが一番得なのか。


平日の昼間に人が家にいる家庭ならば、半日お得プランよりも土日お得プランよりも従量電灯Bの方が得です。これは間違いない。
一方で、共働きの家庭など昼間に人がいないならば、昼間の電気代が割高でも夜間が割安ならばそのほうが得です。ところが、困ったことに夜間の定義が「午後9時以降」なのです。つまり、共働きの世帯でも夜の6時くらいに帰ってきて掃除や洗濯をやり、夕食も食べ終えて皿を洗ってから9時のニュースを見るといった生活ならば、あまり得ではありません。大概はエアコンや電子レンジなどの消費電力量が大きいので、それらを夜9時以降にまわすとなると、帰宅が9時をこえる家庭に限定されます。もちろん「朝9時までが夜間」でもあるので、掃除や洗濯を朝早くに済ませるならば状況は変わってきます。
「土日お得」の場合も状況は似ています。休日は常に家にいるとも限らないし、まとめて家事をするといってもエアコンや電子レンジくらいは平日でも動かすわけで、平日と夜間の消費電力量の差がどれほど有れば得なのか、いまいち分からないのです。


一応東京電力も電気料金メニューを診断するサイトを作っているのですが(リンク)大雑把な診断なのでどこまで信じてよいものかわかりません。


というわけで、グラフをつくって見ました。

従量電灯Bと土日お得プラン、半日お得プランで消費電力量と電気料金を比較したグラフです。土日、夜間のあとに25%、50%、75%と書いてありますが、これは一ヶ月の消費電力量のうち、何パーセントがお得な時間帯に消費されたかを示します。例えば、土日25%とあれば、一ヶ月の電力量のうち25%が土日に消費され、残りが月〜金曜に消費されたと仮定します。
一見して分かるのが、半日25%(昼間に75%を消費し、夜間に25%を消費する)では従量電灯Bよりも明らかに割高だということです。平日は昼間に家にいなくても、先ほどのように夜9時前や朝9時以降に家事をやってしまい、結果として昼間に大量に電力を消費したと計算されると、損してしまいます。
半日50%くらいならば従量電灯Bと大差ない感じです。休日も出歩いて昼間は殆ど家にいないという生活(半日75%とか)ならば2〜3割は電気代を抑えられます。
一方で、土日お得の場合は土日25%くらいで従量電灯Bと並びます。平日の消費電力量が土日の半分くらい、という生活ならばよいわけです。平日は家におらず、土日はエアコンかけつつテレビみて過ごすみたいな人がオススメとなりますが、平日に家事をしてしまうと割安感が目減りします。あと、半日お得プランに比べて電力の消費を土日に回しても割引率はそれほど上がらないこともわかります。


最終的には、家の電化製品ごとの消費電力量(電源ケーブルの根元の辺りや取り扱い説明書などに書いてある)と使用時間帯にあわせて自分で計算してみなければ、どの契約が得かは全く分からないのですが、目安だけはわかったかな、という気がしました。
夜間と土日が得になるプランはないのでしょうか(ぜいたく)。