Fete!Students' Nightmare

上記のネタがわかる人が読むとは思いませんが、一応和訳。
直訳すると「お祭り!学生たちの悪夢」です。もちろんフェイトのオマージュ。
始まってしまいました大学祭!副企画代表として盛り上げたいと思います。
朝七時二十分、充電忘れて電源が落ちてしまっていた携帯電話にメールが届いているのに気づく。
一件目、企画代表から「明日の集合は朝八時です」
マジかよ!副企画代表が遅れたら袋叩きにあうじゃねーか。
二件目、再び企画代表「すまん、遅れる」
やべーよ。代表二人が遅れちゃ話にならねえ。
布団からがばりと飛び起きた私は・・・・・・シャワーを浴びた。
いや、実は二日ほど風呂入ってないんで。夕べはいらなかったのが悔やまれます。
コーンフレークをかきこみ、ガムテープ、ビニール紐、カッター、はさみ、軍手をリュックに詰め込み、自転車に飛び乗る。
信号が赤になっても五秒は無視!追い越そうとするトラックを手で制してひたすら先を急ぐこと十五分。
ちょうど待ち時間につきました。いやあ、自宅が会場に近いと便利です。
「ごめん!待たせた!」
颯爽と自転車を飛び降りた私を迎える者はいない。
・・・・・・あれえ?
一応うちの企画は焼き鳥だから、仕入れた肉を保管してくれてる人が来るはずなんだけど。
待つこと十分、三人着きました。
とりあえず、クラスの面子にメーリスを送る。
「おまいら全員現在地を言え」
――返信――
①「今、もより駅に着いた〜」
②「あと二駅〜」
③「今起きた〜」
・・・・・・帰っていいかな?
とりあえずもう十分待ったところ、企画代表をふくめ十人ほどが集まったので開店の用意をはじめます。
テントの組み立ては楽です。新歓フェスティバルでもやりましたから。
机の配置、三方幕やゴミ袋の設置などもかなりすばやいです。
「ところで企画代表、タレは?」
「・・・・・・タレって?」
「塩がないんだけど」
「・・・・・・買ってない」
「コンロに火をつけるからライター頂戴」
「・・・・・・誰か持ってない?」
どうやって焼き鳥を作るつもりなんだ、この企画代表は。
仕入れは任せろと豪語していたのは、君のそっくりさんだったのか?
――対策――
塩とライターはコンビニで買う。タレはスーパーで購入。
ところで、こんな土曜の朝に業務用のタレを売ってくれるお店があるのでしょうか。
みんなの視線が私に注がれます。
「地元民でしょ。知らない?」
・・・・・・知ってます。
「任せた!」
「任せて!」
ってノリノリで引き受けてどーする。
そのスーパーというのは、肉をキロ単位で売っていたりとか、業務用の品物を小売してくれるお店です。
缶入りウーロン茶を一缶40円で売ってたりとかもします。
ただ、ちょっと大学から遠い。自転車で往復三十分といったところでしょうか。
車どおりの多い、そのくせ歩道が狭い上に中央に電信柱が立ってたりする理解不能な道をずーっとこがねばなりません。
あったあった。ありました。焼肉のタレ「プロ仕込み」。1リットルも買えば十分でしょう。
大学へとんぼ返りです。
青信号ではトラックを煽り、赤信号ではサイドミラーの間をくぐること8分。新記録で配達を終えました。
――最大の問題――
うちの企画代表は、いい加減な上にくじ運が悪いので、店がかなりメインから離れた場所を割り振られてしまいました。
なにしろ、大学祭でもっとも安い焼き鳥を提供するというのに、メイン会場に近い、割高な店のほうが繁盛します。
こうなれば宣伝攻勢です。
有志を募り、会場中を駆け巡ります。早速お客さん候補発見。焼き鳥4本200円いかがですか?
「どこで売ってるんですか?」
正確な説明を試みます。
「池と大講堂の間の道を真っ直ぐ行き、同じ値段で売っているお店をシカトしていただければその先にありますが、実はその道路は路上パフォーマンスに使われているので一度迂回してください」
・・・・・・これじゃ客来ないよ。
それでも、無事にたどり着けたお客が買っていってくれます。
自分たちが焼いた、決して上出来でもない、むしろ行き当たりばったりな焼き鳥を。
ああ ― 今日も ― 客が ― ありがたい
月姫ってこんなOPじゃなかったっけ?
安らぎもつかの間、メールが一本。
「タレと塩が足りない。すまないがもう一度、買出しにいってくれないか?」
・・・・・・前言撤回。
再び店と会場を往復します。今度はタレを2リットル。そして塩を1キロ。
肉のハナマサに大感謝です。このお店がなかったら、うちの店はただの冷凍鶏肉置き場でした。
あーもう、動きたくない。
「交代の人が来ないので、店の前で売り子をやってくれ」
ううっ。どうしてクラスのみんなはローテーションを守ろうとしてくれないんだ。
苦労のかいあってか、完売。
最後に企画代表が一言。
「明日もこの調子でいってみよー!」
できるかー。もう叫ぶ体力もないぞ。