世界タイトル保持者に会う

金田康正先生にあってしまいました!
その上、講義まで受けて帰り際に二十分ほど、お話させていただきました!
と書いても多分一部の人間にしか「おおっ!」って言ってもらえないと思う。
でも、確かに現在のところの世界タイトルホルダーにして、二年以内の記録更新をもくろむつわものには違いない。
じらしても仕方がないので、何の記録かを書きます。
驚くなかれ、このお方は円周率計算の世界記録保持者なのです!
その桁数、なんと約1兆2千億桁(十進法)!
もちろん、スパコンとソフトがあってこそなのですが、それにしたってすごい。
日本が世界に誇れる研究者です。すっごい気さくな方でした。
講義のネタばれはしませんが、要約すると円周率の求め方と、求める際のスパコンにかかる負荷、円周率をナゼ求めるかについて、etc.etc.
面白かったのは、スパコンの性能が上がるにつれて故障頻度も上がってしまうという話。
ひとつのプロセッサが故障する確率が低くても、大量につなげて並列処理をさせると計算ミスが発生するのだそうです。
円周率は、無限級数を使ってもとめるので、一回計算ミスすると、そこから下の桁は全部間違いになってしまう。
実際、手計算で8百桁まで求めた人が過去にいたらしいのですが、3百桁手前で計算間違いを犯してしまったらしい。
悲しすぎるぞそれ。
とにかく、正しい円周率がわかっていれば、あらゆるスパコンベンチマークや正確性などがわかるらしい。
そして、先生ご自慢のスパコンは、性能こそ世界最速ではないものの、電気代だけは一丁前。
1億するそうです。
しかも電気代まとめ買いなので市価の半額だというのに。
アメリカだと円周率を求めるのにスパコンを使わせてなどくれないらしいのですが、世界タイトルの強みでしょうか?
余談。世界のスパコンでは、計算してはいけないものが二つあるそうです。
ひとつは「暗号の解読」もうひとつは「核爆弾のシミュレート」。
ちなみに「素因数分解」は、オッケーだそうです。
矛盾してますよね。暗号の大半は素数の掛け算を利用しているので、暗号解読の大半は素因数分解にかかっているというのに。