総選挙が終わって

今、各テレビ局の選挙速報を見ています。
自民党が空前の大勝利を収めそうです。
私としてはここまで議席数に差が開くとは思いもよりませんでした。
4年(統計的には2ないし3年だそうですが)の間、日本の舵を「郵政民営化一本やり、残りは白紙委任」の自民党に取らせるのは、いささか不安なのですが、そう思う人は少数派だったのでしょう。
むしろ郵政改革は構造改革の「入り口」にして「本丸」だという、私には理解できない主張がまかり通るのですから、要は威勢が良ければ問題ないのではないでしょうか。郵政改革は構造改革の(出城の)本丸だからすべての構造改革の入り口であると解釈できなくは無いのですが・・・・・
それに、私が物心付いて以来の経験として、「××を抜本的に見直す」なんてのは、夏休みの小学生が親に「宿題をやる」といっているのと同程度の信頼性しかないと思うのです。
ましてや首相本人は来年以降首相のいすにとどまるつもりは無いそうですし、あとを継ぐのがだれであれ、改革路線をきちんと継承できるのか私は疑問に思います。
高をくくって民意を蔑ろにする者、連立与党であることを忘れる者が出ないとも限りません。
「郵政」が終わった後も自民党は一枚岩でいられるのかというのも感心ごとですね。
そういうことを考えると、実はこの選挙は一見したターニングポイントとは全く別の転換点になるのではないかと思うのです。
すなわち、自民党政権の終わりの始まりです。
以下、私の根拠なき予想が続きます。
郵政民営化法案が成立したあと、他の改革案をめぐって内輪もめが起こります。
しかし、あまりに多数の議席保有した自民党は、多少の反対にあっても強引に法案を成立させ続けます。
現段階の議席予想が正しければ、与党全体で全議席の3分の2以上を手に入れることになりますから、ありうる話です。
それによって党規が緩み、次の選挙のときに意見の統一に躓きます。
党内の反対も無視するくらいですから、連立与党との調整にも躓きます。
当然支持率が下がります。
対する民主党は、がけっぷちになったせいで、ベテラン議員は軒並みしり込みして党首の座に着こうとしないばかりか離脱するせいで、残った若手が党首になります。
もしその若手がしっかりした意見の持ち主なら、たとえ議席は少なくてもしっかりと足腰の据わった政権を担うにふさわしい党に変われます。
ゆくゆくは政権交代です。
・・・・・・無理かな。今回の選挙は、あまりに民主党にダメージが大きかった。
ただし、現段階で民主党には政権を担う力が備わっていないので、私の儚い願いとしては「僅差で自公勝利」だったのですが。
ひとつ幸いなことは、日本は二院制だということです。
二院制であれば、気に乗じて無茶苦茶な法案が通るということも防げます。
参議院の存在意義が薄れている昨今ですが、おそらく今後数年間は参議院の重要性が際立つのではないでしょうか。
憲法改正参議院と九条が消えなければ、の話ですが。
予算の無駄だ、アメリカからの押し付けだ、現状にそぐわない、等々、改正の槍玉に真っ先にあがりそうな二つですが、私としてはこの二つだけは日本が滅ぶまで維持してほしい条文だと思います。
参議院の重要性はこの一件で明らかでしょう。
戦争に行きたくはありませんし。政治家の一言で戦争を始めてほしくもありません。
大体、近代戦は金がかかって仕方が無いんだから、お飾りの軍隊にこれ以上金をかける口実なんて無用でしょう。
でも、自民党憲法改正を発議するとしたら、この二つは確実に改革の名の下で消されるのでしょうね。

  • その他気になったこと-

ホリエモンは民間からの大臣として入閣するかもしれませんね。
亀井静香へのかませ犬としてそれなりに機能してくれましたし。
明日のBBCが、なんていうか楽しみです。
外国からはなんと見られているのでしょう。「日本人は、投票先をノリで決める政治意識の低い民族だと判明しました」とか言ったら、本気で笑ってやる。