World Baseball Classic(WBC)

事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、今回ほどフィクションくさいめぐり合わせが起きることはそうそうないのではないでしょうか。
ざっと列挙してみただけでも
①主砲(松井や井口)の欠如②東アジア王者からの転落の危機③投球や決勝リーグに関する独自のルール④変な審判⑤失点率による決勝進出⑥球場を占める韓国応援団⑦三度目の正直
等々ドラマのねたには事欠きません。
この久々に大盛り上がりをした野球の試合を、私はJスポーツ副音声で観戦しました。TBSじゃないのは両国の選手を満遍なく見たいからで、副音声にしたのはしょぼいキャストの解説を聞くぐらいなら英語の解説のほうが面白そうだと思ったからです。
試合は六回までは息詰まるような投手戦。上原はランナーをたまに出すものの後続を断つ神がかり的な好投。対する韓国もすばらしいピッチャーと強固な守備で日本選手になかなか三塁を踏ませてくれません。
試合が動いたのは七回。先頭の松中が待望のツーベースヒット。守りの堅い韓国を打ち崩すには、少ないアウトカウントのうちにランナーを得点圏に置くのが肝要。まさに理想的です。続くバッターはハマの大砲多村。最悪犠牲フライは出ます。その多村に監督の支持は……バ、バント?*1
これにはびっくり。多村、村田といえば横浜の選手の中ではバント下手の部類に入るんだけどな〜。案の定カウントを悪くしてボール球をスイングアウト。王さん何やってんだか。
こんどこそってぇんで出てきた代打は……福留?をいをいここまで来て俄然雲行きを怪しくするなよ監督。こんなめったにないチャンスで絶不調の福留を使うか?
理解不能の采配が連続したことで、私は一瞬王監督の監督としての資質を疑いましたよ。次の瞬間、福留がホームランを打って本当によかった。
その後、小笠原に代わった韓国の投手が直球のデッドボール。アンパイアが激怒してました。ジェスチャーがあたかも危険球退場を宣告しているように見えるほどの怒りっぷりは、何か思うところがあったのでしょうか。
で、七回表は日本のつるべ打ちと韓国の猫の目投手交代が続き、終わってみれば一挙五点のビッグイニング。八回にも多村が前の回の鬱憤を晴らすような大ホームランを打ち、スコアボードに因縁めいた51*2の数字が刻まれます。
上原、薮田、大塚と三人で韓国打線を0点に抑え、日本のドラマティックな勝利となりました。
ニュースを見ると、なんだかWBCそのものが終わったみたいなはしゃぎようですが、まだキューバとの決勝戦が終わっていません。ここはひとつ、よい試合を期待しましょう。
これで優勝でもしたら、プロジェクトXまがいの特集が組まれること間違いありません。

*1:ちょっと前のキャッシュワンの宣伝を思い出してください♪ばばんがばんばんば〜ん

*2:イチローの背番号です。言うまでもなく