オペラ

人間、一時の気の迷いというのはよくあることです。私が「二年になった記念に」と称してオペラのサークルに入ってしまったのも、きっとそういうことなのでしょう。オペラとは全然縁がなかったので、ここらで一つ手を出してみるのもいいか的なことを考えていた気がします。
で、初めて音取りをしてもらいました。パートはバス2だそうです。日ごろめったに腹声で歌わないので、音はずれまくりでした。お付き合いしてくれた皆さん、ごめんなさい。がんばってのど仏を下げます。とりあえず、今日の収穫は「今の自分が安定して歌えるのは下はソから上はレまでの1オクターブちょっと」ということです。……めちゃめちゃ音域が狭い気がする。
それともう一つ。オペラの下のパートは、合唱になると音量を抑えねばならず、そのくせやたら半音が入って難しいということ。
それにしても、歌詞の部分だけで3百ページも楽譜をかける人って、すごいですよね。シンセサイザの自動和音作成機能もない時代に、パートを6つも8つも分けようと思うのも見上げたものですが。シンセサイザじゃないからありがたいのですけれど。
オペラのサークルには、いろんな人がいます。結構なお年の方までオーケストラの一員としてチェロを弾いていたりします。その中で気になったのが、トロンボーンの女の子。どこかで会った気がするんだけど思い出せない。向こうも私を覚えてくれているのだが、どこで知り合ったのか思い出せない。二人は出会うたびに「どこかであったよね」ということを再確認しあっています。なんじゃそりゃw彼女いわく、大学のどこかの講義で一緒になったはずだとのこと。私の記憶はもっと昔だと主張しているのですが、お互いの名前を聞いても思い出せず、出身を教えあっても思い当たりがない。人はこれを意地悪な運命と呼ぶのでしょうか。
「どこかであったよね」はナンパの常套句ですが、今回に限ってそうでないことだけは確かです。