雨の日の犬

雨に濡れた犬といえば、野良犬をまず連想しますが、野良犬の駆除が完了した東京都区内では、毛足が長いせいで図らずもぬれてしまう肥満の犬の事を指すようになってきました。
重そうなお腹を引きずらんばかりにぼてぼてと歩くミニチュアダックスフントなんか見てると、ペットと飼い主の健全な関係について考えさせられます。向かいから走ってくる自転車の前かごには、座布団の上に鎮座したプードル。新しい散歩のスタイルです。以前横浜の山下公園で、紐を引き上げて無理やり二足歩行させていた飼い主よりは良心的と見るべきでしょう。品種はわかりませんが、マンションのエレベータにはマーキングのあとがくっきり。消臭スプレーをかければよいというものではありません。飼い主の方の香水と消臭スプレー、そして消え損ねた犬の小水の臭いがあいまって、えもいえぬ空気です。
犬に服を着せるなとか、残飯以外のものを食べさせるなとか、そういう了見の狭いことを言おうとしているのではありません。ただ、カロリー計算のできない犬を糖尿病で苦しめたり、犬の習性を受け入れて自分の評判を下げるのは、後先が違うのではないかと考えるしだいなだけです。
そのうちあれですよ。「カロリーオフ」を謳ったドッグフードが大流行して、そればかりを食べさせた挙句飼い犬を餓死させた飼い主が、ドッグフード会社を訴えるようになりますよ。