わっわっ私はアナライザ〜♪

今日の実験は無機定性分析というものでした。面白かったので日記のネタに。
水の中にはさまざまな金属が溶けています。水俣病は水銀、イタイイタイ病カドミウム、と社会の授業で習ったあれです。具体的に何が入っているのかを調べるというのが今日の実験のお題。普通の水に、そんな公害を引き起こすような金属が溶けていることはありませんから、わざわざ教授が事前に金属を溶かしておた、いかにも怪しげな青や橙色の液を分析するのです。一人につき1.5ミリリットルの溶液には、3種類の金属が溶かされていることが事前にわかっています。ただし、何が溶けているのかは、教授しか知りません。
渡された溶液からどうやって溶けている金属を調べるかというと、溶けにくいものから順に溶液からあぶりだすのです。一番楽なのは銀。なんと塩酸を一滴たらすだけで、水に溶けていられなくなり、試験管の底に溜まってしまうのです。ついで溶けづらいのが銅や水銀といった金属。コイツは硫黄が混ざると出てきてしまいます。やや溶けやすいのが鉄やニッケル、アルミといったもの。多少アルカリが入ると出てきます。一番溶けやすいのがカルシウムとかそのあたり。鍾乳洞の中を流れている水はカルシウムがいっぱい含まれています。こいつを取り出すのはちょいと骨。
さて、私がもらった溶液は薄い青色をしていました。かき氷のシロップみたいですが、飲んだら毒です。渡された液は少量なので、3分の1だけとってそれを純水で薄め、それを分析するのです。
まずは塩酸を1滴。ぴちょ〜ん。あっという間に白濁!銀です。とりあえずこれで一つ目の金属がわかりました。
ついで、硫黄を含む薬品を二、三滴いれ暖めます。……変化なし。どうやら銅や水銀は溶けていないようです。これはちょっと重要。水銀を含む溶液はとっても毒なので、実験が終わったあとで溶液を処分するときに他の溶液とは分けて別の廃液入れに入れねばならないのです。今回の場合、水銀は入っていないので、普通の重金属の廃液入れに入れればよい。
ついで、これにアンモニアを加えます。アンモニアといえば金冠。と、高々1滴加えただけなのにやたらと真っ黒い粉が沈殿したじゃありませんか。ということは、鉄やニッケル、あるいはアルミやクロムといったものが溶けているはず。とりあえず沈殿は取っておき、あとで調べるとしましょう。
沈殿をろ過したあとの水は一見きれいですが、中にはバリウム、もしくはカルシウムが溶けている可能性があります。これにクロム酸カリウムとか怪しげな薬品を混ぜてみると、緑のおどろおどろしい溶液の底に白い沈殿物。教科書に書かれているアンチョコによれば、どうやらカルシウムらしい。なんだか溶液の色が予想していたのと違う。あとで時間があれば、もう一度実験してみましょう。
さて、先ほどほうっておいた黒い沈殿物。酸を加えて一旦沈殿を溶かし、どの金属が溶けているかを調べてみると……なにもとけてない。あれ?おかしーなー。確か3種類溶けているはずなんだよねぇ。しかも、さっき沈殿していたんだよねぇ。何にも溶けていませんはないよねぇ。

さ〜いじっけん再実験♪

取っておいた最初の溶液の残りのうち半分を、先ほどと同じ手順で分析します。既に銀が入っているのはわかっているので、塩酸を加えるとどうなるかはさっき書いたとおり。「あっ、あんたなんかに興味はないんだからねっっ(///)」などといいつつ塩酸を加えて銀を取り出し、硫黄を加えて加熱。う〜ん、かったるいな〜ってあれ?気づいたら、実験手順すっ飛ばしてるじゃん。私。これじゃ分析しようにも正しい結果が得られないぞ。

さ〜いじっけん再実験♪

残った溶液に純水を加え、またもや「あっ、あんたなんかに興味はないんだからねっっ(///)」といいながら塩酸を加えて銀を取り出し、慎重に教科書どおりに分離をしてゆきます。と、さっきと同じような黒い沈殿から、ニッケルを検出。う〜ん、基本どおりって頼りになりますねぇ。なんか意外とあっさり見つかってしまって、拍子抜け。ついでに、カルシウムのきれいな沈殿も手に入れる。
かくして、私の溶液には銀、ニッケル、カルシウムの三種が溶けていることが判明。教授に報告して確認をもらう。
いや、実験ってやっぱ楽しいわ。こういう予想外のハプニングがあると特に盛り上がるし。