TRPGの妙

TRPGってのはテーブルトークロール・プレイング・ゲームの略だそうです。私たちがRPGと聞いて真っ先に思いつくのは、成型炸薬弾を発射する個人携行の無反動砲か、クエストを進行させていって仲間を集め最後に大魔王か何かを倒すテレビゲームのどちらかでしょう。TRPGというのは後者をよりプリミティブにしたものであります。
最低限必要なのは紙とペン、そしてルールブック。最大限必要なのは参加者の物語をつむぐ力です。早い話、テレビゲームのRPGにおいて、各キャラクタを各プレイヤーが一人ずつ担当し、シナリオをゲームマスターが考え、確率演算をサイコロが行うという、言うだけなら極めて簡単なRPGです。その奥行きの深さは、水野良ロードス島シリーズを読んでいただければわかります。
ぶっちゃけこれって、人力でやる普通のRPGなのですが、なめちゃいけないのは数十年かかって醸成したルールブック。これを一から構築するのはまず不可能と言えるほど緻密なのです。どれくらい緻密かというと、本が一冊できるくらい。
ルールブックですよ!?ポケット将棋やポケットマージャンでさえ、そのルールブックはB5サイズの両面印刷を折りたたんだものにまとめきれるというのに、TRPGは本一冊。まあ、事例がいっぱい載ってると考えればそれでも妥当なのかな。
いずれにせよ、人類の妄想がいっぱい詰まった本だってことです。