帰国前前夜、たぶん最終回

夕べはチャイニーズパーティーでした。研修中の中国人の先生たちが、イギリスの食材で急いで作ったとはいえ、しっかり中華風味だったのはさすがというか、何と言うか。私にとってはどうでもよかったのですが、ウクライナから来た友人はテーブルの上の赤い旗がだいぶ気に食わないみたいでした。パーティーそのものは盛り上がったものの、ちょっと料理の数が少なすぎたせいで間が持たなかったのは残念でした。終いには洋楽がかかったりして、期待していた私は拍子抜け。他の学生さんたちも同意見のよう。こうなったら行く場所は一つ!パブしかない!という暗黙の了解のもと、くしの歯を引くようにみんなしてそろそろと抜けていきました。私は最後のほうの集団だったのでだいぶ人が少ない食堂を見てみたのですが、先生たちは楽しそうに中国の歌を歌ってる。最初からそれをやればよかったのでは?と首をかしげた一幕。内輪のほうがやりやすいというのは分かりますけどねぇ。
で、みんなが集合しているはずのパブへ行ってみたのだけれど、人がいない。しばらく待っても先発組が来ないのはどういうわけか。他の店を見に行ってみようと外へ出たところ、イスラエル国籍のイスラム教徒の学生がついてきました。なんでもハードロック調の音楽と肌の露出が多い女性は戒律でダメなのだとか。その店ではよくサウジの学生を見かけるけど、宗派の違いでしょうか。
さ迷い歩いて別の静かなパブに行ったら、そこにもはぐれ学生がいたのでしばらく彼らと混じることに。そこにいた日本人の学生が台湾人の学生となにやら深刻な話をしている模様。小泉とか靖国とかそっち関連みたい。老婆心から酒の席でそういう話はよそうよ〜と言おうかとも思いましたが、幸い話がこじれなかったのでよしとしておきました。
酒を飲む気になれなかったのでコーラを飲んでいたら、やっぱり本隊からはぐれたスロバキアの学生が登場。イスラエルの学生はだいぶ打ち解けていたみたいなので別れを告げてから、静か過ぎて退屈していた私は彼と合流することに。程なく伝令*1を発見。みんなお城の公園で飲んでいて、これから最初のパブに行くとのこと。二人してハードロックのかかるお店に戻りました。
お酒を飲まない私はエイトボールの台に。元学生の日本人と二人組みで、スペインの学生二人と対戦。5本あるキューのうち、最後の二本といえば早い話どっちがよりひどいかを吟味せねばならないわけで、私が使ったキューは残念ながら小細工するよりはナムアミダブツと唱えたほうがよっぽどうまくいきそうな代物。あと、スペインの学生さんのうち中年の人が昔とった杵柄でお上手。結果ですか?帰国したらセンターショットの練習しなくちゃ(ボソッ
そのあと、夕べの日記にも登場したサウジの人とクラスメイトのポーランド人の試合を観戦。
彼女の腕は本物っぽい
ちゃんと押し引き出来てるし。ちゃんと白玉の行く先を考えて突いてるし。
誰が教えたんだろう。彼氏ではないと予想。遊び半分で教えられた感じがしないから、きっと父親だろうな。恐るべし、ポーランドの親父。
ところでサウジの子はだいぶ彼女にお熱だけど、祖国に彼氏がいるって知ってるのかな?
ふと見回すと彼女の周りにはハエのように男子学生が群がっている。あ、他の人から見れば私もその一人か。たまにいますよね、妙に野郎どもにばかりもてる女の子。何が決め手なんだろう?見た目が良くて、オープンマインド、活発で多少のおいたなら笑って勘弁してくれる*2。あ、なるほど、なんとなく納得。ポーランドの高校でも人気なんだろうな。軽く不良でも大きく踏み外さないタイプはいつの時代でも人気です。
男をからかって楽しみ、酒も煙草もよく飲む。
……ただの不良という可能性もあります
なんとなくパブが終わったあと、24時間営業のファーストフードでみんなしてたむろ。シシカバブとかも売っているお店で、本物の水煙草があったんですよ。あのぼこぼこ音を立てる水煙草。3台あって、3時間で店中が紫煙のかたまりに。私は吸いませんでしたが、彼女は最後まで粘ってぼこぼこぼこぼこ。
……今日の日記を読み返して思ったんですが。
イギリスまで来て女の尻を追っかけてたんか私は
断じてそんなことはないのですが、昨日の出来事がそれしかなかったんです。





たぶんホームステイ関連で書く日記はこれで最後でしょうから、何か一つびしっと締めて、帰国後の日記につなげたいと思います。
思えば長旅でした。八月の頭に撞友会の合宿で長野へ行き、帰京して自宅で一泊してからイギリスへ行くという妙な日程を組み、クアラルンプールを経由して20時間の空の旅を満喫した後、ロンドンから電車で一時間の地方都市へ行き、ホームステイの家族は全員二歳成長しているという珍事に出くわしたのが、この日記の始まりでした。カンタベリーへ行って大聖堂を見上げたり、ケンブリッジへ行ってスピットファイアの航空ショーを見たり、ロンドンで0度線をまたいできたり、いろいろ気ままな一人旅をさせてもらいました。英語の勉強だってそれなりにしました。たった三週間ではやはり物足りないですが、この経験を生かせるかは帰国後にかかっているのでしょう。
月曜日には暑い日本の夏が待っています。喧騒の世界、過敏な世相、そして豊かさの中に潜む虚しさに何ら手立てを打たない日本が。それでも母国ですから。


See you again Colchester!
See you again United Kingdom!
I love you everybody!! Thank you!!

*1:携帯のメールではなく、本当に二人一組の伝令

*2:私はしませんが