気持ち悪い世界だ

母親の生首を持って出頭とか、3歳児を新生児保育器に捨てるとか、気持ち悪いです。
理屈をこねくり回して非難するのは私の十八番だけれども、それを捨て置いてでも言ってやりたい。
気持ち悪い、と。
万物の霊長を僭称する、同じ人類のなすこととはにわかには信じられない。頭で理解できないものを私は気持ち悪いと感じます。
生まれてすぐの赤ん坊をトイレに流したりゴミ袋に詰めて捨てたりするのも気持ち悪いですが、そうされてしまう前に赤ん坊の命を救うことを目的に設置された設備に、3年も育てて愛着のわかないはずのない子供を突っ込む親はもっと気持ち悪い。
そもそも、何らかの理由で育てられなくなった子供を預ける施設は他にもたくさんあるというのに、何を好き好んで生まれたての赤ん坊のために用意されたものを使うのか。これから心中しようというときに、せめて子供の命だけはと思って預けたということも考えられますが、そこまで子供のことを思うのなら、何を捨て置いても親の存在は子供には欠かせないのだから、最初から子供を捨ててはいけないと思います。
所詮理想論の奇麗事ですけどね。
母親の生首にしたって同じこと。理屈ぬきで気持ち悪い。
頭で考えれば考えるほど、とにかく頭ごなしにお前が同じ人類だなんてと言ってやりたい。




しかし、残念なことに、過去、それも有史以来、猟奇的な事件が人類史から消えたことはないのです。
早い話が、いついかなる時代と場所を切り取っても、この世界は気持ち悪い。
そして、間違いなく人類は歴史から学ばないのだから、これからも気持ち悪くあり続けるのでしょう。
あたかも、今目の前に起きている事件が、史上最悪であるかのように感じてしまうだけなのです。
そして、歴史から学んだ人は、自分の方がもっとうまくやれると信じて疑わないのです。