奇想の王国

騙し絵展に行ってきました。
前回、20分待ちだった行列も、さすがに土曜の午前ならありませんでした。
過去から現代にかけての騙し絵(終盤にはオブジェも出てくる)の変遷を展示しているのですが、非常に面白かったです。
絵の中の人が額縁から出てくるといった気の効いたものから始まり、より写実性を増して壁にかければあたかも本物であるかのように見える絵が続き、最後には錯視を意識して作られた世界にたどり着きます。
時代と共に見る者を騙す目的が変わっていくところが興味深いです。
遊び心をくすぐるものや、徹底した写実主義の結晶として「本物と見まごうばかり」にしたもの、そして科学的な錯視を絵画に利用したもの。いずれも脳髄をかき回されること請け合いです。
私のお気に入りは、宴会芸の影絵*1を描きとめた日本画と、見る角度にあわせて風景が変わっていくオブジェ*2、あと別格でダリの絵です。
あと、イヤホンガイドの解説なしには、絵の見るべきところを十分見きれません。これから行く人は、ぜひ500円を支払ってでもイヤホンガイドを聞くべきです。

*1:障子を隔てて人が小道具を持ってポーズをとることにより、何か別のもの、盆栽や船の影絵を作る。

*2:絵の中心が盛り上がっており、十分はなれたところから角度を変えて見ると、それにあわせて景色が動いて見える。