はじめてのひとりたび

別に一人旅は初めてではないのですが、こっちに来てから一人で旅程を企画して手配までしたのは初めてです。
IAESTEが企画してくれたイベントは先週で終わってしまい、今週末にはほぼすべての研修生が帰国してしまうことはすでに述べました。そんなわけで今週は毎夜のようにお別れパーティが開かれ、そんなある晩の突然の冷え込みに負けて私は風邪で不義理をすることになり、いじけて金曜の夜行からクロアチアに旅立つことにしました。バニャ・ルカから一番近い観光地ということで、ザグレブに白羽の矢を立ててみます。
いやねぇ、お別れパーティで風邪をうつしてもなんだし、ましてや「モニュメントの丘で一晩飲み明かそうぜ!」って言われても、朝は真夏でさえ15度くらいになる(昼間は平気で30度を超える)この地で屋外オールとか私に客死しろってかとしか言いようがないし。
まぁそれは言い訳にすぎず、実際のところザグレブ行きのバスが17時半なんですよ。
その次が翌朝の6時半発で、仮に風邪悪化の危険を冒して「モニュメントの丘飲み」に加わり寝坊の悲劇を回避したとしても、今度は街灯のない林道を日の出前に一時間以上歩かねばなりません。ましてやみんなが出払ったサモーチキ・ホテルで一晩明かすなんてバカでしかありません。
いろいろと熟慮の末、仕事を終わらせてから28日夕方、ザグレブ行きのバスに乗り込むというスケジュール*1になりました。
さて、ボスニアクロアチアの国境ですが、検問はありますが入国審査に際してスタンプの押印がありませんでした。クロアチア側のゲートで一度乗客を全員下ろして歩道の一方に並べ、反対側の高速の料金所みたいな入国審査の小屋でパスポートを機材に読み取らせて終わりです。スタンプが増えることを期待していた身としてはちょっと残念。


それ以外にはさしたる事件もなく、都合三時間半でザグレブに到着。時刻は9時を回り、多くの店はすでにしまっていますが、夜のザグレブを徘徊する程度の余裕はあります。まずは宿にチェックイン・・・
「お客さん、ユーロの現金はダメですぜ」
・・・え?
だって料金表のところにクーナでいくら、ユーロならいくらって書いてあるじゃん。
「ユーロ建はカードのみ。現金ならクーナだ」
これは予想外。両替屋はこの時間なら閉まってますし、あてがありません。カードはあるけど、カードで支払うと「ユーロで支払う→お釣りをクーナでもらう→クーナで夕食を買う*2」という私の遠大な計画が水泡に帰してしまいます。まあカードで支払いましたが。宿は駅前のホステル*3で、長期宿泊にはきついけれど、一泊二泊なら交通の便からして使い勝手がいい感じです。タオル一本どっかになくしてしまいましたが。

ザグレブ中央駅


さて、翌朝となる29日はザグレブ市内の観光とします。9時前には宿を出て両替ののち朝市を見学。市内の二つのメインの教会である聖母被昇天境界と聖マルコ教会、他博物館を見学しました。
ザグレブは百万都市なのですが、旧市街は歩いて回れる範囲、しかも土日は博物館などが軒並み午後1時で営業終了なので、ちゃっちゃか見て回りました。石畳の町並みやカトリックの教会など、正教会系のベオグラードイスラム教も多いサラエボとはまた違った味のある街並みでした。あと、地中海沿岸地域を押さえているせいかワインが多いですね。内陸部はもっぱらビールか蒸留酒ですが、ザグレブ市内にはワインを売ってる店が結構たくさんありました。

*1:帰国するみんなとアイスクリームでお八つというイベントが飛び入りで入った。これでみんなとは当分会えないと思うとやはり寂しい。

*2:サモーチキ・ホテルではこれが通用した。料金はユーロで書いてないにもかかわらず。

*3:例によってザグレブには鉄道駅というとザグレブ中央駅しかない