バラバラな国の今週末の冒険

一人旅第2回企画として、今週末はボスニア南部のモスタル、および近くにあるクロアチアの飛び地であるドブロヴニクへ行ってきます。
ドブロヴニクはヨーロッパからの観光客が多いので、そこまでたどり着ければ帰りは何とかなるでしょう。モスタルも著名な観光地なので多分バニャ・ルカよりは楽なはず。
ただし、モスタルからドブロヴニクまでのバスが「一日数便出ている」ことはわかっているのですが「何時に」出ているのかがわからないところが少々冒険です。まぁ、土曜の朝にモスタルにつくバスと土曜の夜を過ごすドブロヴニクの宿は確保済みですし、きっと何とかなるはず*1。家族旅行の手配だったら許されませんが。


以前、モスタルへ行った他の研修生たちの話を聞くと、モスタルムスリム系の住民とカトリック系の住民に居住地域が分かれており、学校でも違う学級なのだそうです。
相変わらずこの国はバラバラです。
ボスニア・ヘルツェゴビナという国は、4割8分のムスリム、3割7分のセルビア正教会、1割4分のカトリックがそれぞれ「ボシュニャク人」「セルビア人」「クロアチア人」を名乗っており、それぞれが居住地を分けて住んでいます。
ボシュニャク人とクロアチア人からなる「ボスニアヘルツェゴビナ連邦」とセルビア人からなる「スルプスカ共和国」が国土を二分しており、行政もほぼ独立、国鉄も違う会社なので国境で機関車をいちいち付け替えていることは、このブログでも以前ご紹介いたしました。ちなみに、スルプスカ共和国内で売られている地図を見ると、ボスニアとスルプスカの間を「国境よりは細いけど自治州よりは太いライン」で引いてあります。
そこまでバラバラがいいか。
お互い「××人」を名乗っていますが、それぞれ外見上の見分けはつかず(熱心な信者はそれとわかりますが)、言葉もほとんど同じ。セルビア人はキリル文字を主体に書いていますが、別にキリル文字ラテン文字は1対1対応なのでとくに不自由はしていないご様子。で、セルビアの30代以上の人たちに聞けば「俺たちは独立したかぁなかったんだ」といい、実際にスポーツなどの国際試合でもボスニアを応援するわけでもなくかつての母国である隣国セルビアを応援するのだとか。
どこまでバラバラなんだおまいら。
ボシュニャク人とクロアチア人もさっき書いたように仲が良いわけではなく、きっちり居住地を分けで住んでおり、教育まで分けており、あまつさえ先日は民族的な問題から閣僚が辞任したというニュースを見つけました。ただし、このニュースはウェブ上で見かけただけで、バニャ・ルカ市内で売られているスルプスカ共和国の新聞にはそんなことは書かれていなかったように見えました。
ホントにここはひとつの国なのでしょうか。

*1:もちろん、モスタル、ドブロヴニク間のバスのダイヤも確認したのだが、オンラインではあてにならないうえに、モスタルは長距離バスの経由地なので、公のダイヤはあてにならない。