就職情報サイト

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Ph.Dを取りたいと思いつつも、果たして自分に博士課程入試を突破できる学力(と博士課程を終えられる根性、および修了後に投資を回収できるだけの職にありつけるか)に不安を覚えたせいか、思い余って去年の末に就職情報サイトに登録してしまいました*1
で、折を見ては採用情報のページとかを漁っているのですが、果たして、こういう就職情報サイトや各企業の採用情報のページとかを見て労働意欲を喚起されるような学生がいるのでしょうかと首を傾げています。


まず、就職情報サイトに登録するのが大変です。
サイトにもよりますが理系だと自分の研究内容とかも書かされることがあります。ただし「背景なんかは最小限で、研究内容とかを書くように」というような但し書きがあります。思うに、こういう制限って文章を効率的に書く際の邪魔にしかならないと思うのですがどうでしょう。「自分の研究内容について400字以内」って書けばいいんでないかなぁ。
そのあと、学生のプロファイリングのために「2つの候補のうち、自分が理想だと思うものを選べ」みたいなことをさせられるのですが、質問内容が例えば「個人の実力が重視される企業」と「全員のチームワークが重視される企業」だったりします。どっちがふさわしいも何も背反するものではないような気がします*2。「一人一人の実力が十全に発揮できるように全員がチームワークを意識している企業」が望ましいのではないでしょうか。


で、こういう消耗するプロセスを経て、晴れていろんな企業からの就職案内に目を通せるのですが、これもまた残念な場合が多いです。
私は電気系に所属しているので情報産業系の就職案内が優先的に来るのですが「ITソリューションで未来を切り拓く」みたいなキャッチフレーズの会社がズラッとあってどうしろってんだ状態です。

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        |リ○ルート|
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    /   ⌒   ⌒   \      よくぞ登録してくれた
    |    (__人__)     |      褒美としてITソリューションで
    \    ` ⌒´    /   ☆  未来を拓く会社に
    /ヽ、--ー、__,-‐´ \─/   エントリーする権利をやる
   / >   ヽ▼●▼<\  ||ー、.
  / ヽ、   \ i |。| |/  ヽ (ニ、`ヽ.
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ITと一口におっしゃいましても業界は広うございまして、計算機も通信も電子マネーも、それぞれのハードウェアからソフトウェアまでいろいろな会社が寄り集まって製品を作っているのです。技術者がどの会社に入れば専門性が生かせるのかについて頭を抱えねばならないのは不合理だと思います。会社の側としても、持っていて欲しい専門性はある程度決まっているはずですから、そこら辺をもっと分かりやすくアピールして欲しいなと思います。
ましてや、折角採用情報ページまで立ち上げておいて、仕事に具体的なイメージを学生に抱かせられない*3のは、やる気のある学生ほど疲労を感じさせるのでぜひとも止めて欲しい。
もっと言ってしまえば、学生の身からすれば企業の理念なんてものは実はどうでもよく、「現在どのような強みを持っているか」「どのような技術を持っている人材が欲しいか」「将来どのような企業になるのが目標か」「経営状態は健全か*4」「労働環境は良いか*5」が気になるのではないでしょうか。
以前どこかで「就職活動とはお見合いのようなものだ。相手に嘘や隠し立てをしても良いことは無い」みたいなことを小耳に挟みましたが、学生も企業もフォトショで修正しまくった写真を見せっこしているだけのような気になってきました。



もう数年時間がたてば、より洗練された就職活動のシステムができるのでしょうか。

*1:ちなみに、スキーに行ってる最中にホテルで登録するという思いつきもいいところなことをした。

*2:オーケストラはどっちに入るんでしょうね?

*3:ケーススタディと称して「難しい課題に直面して頑張って解決しました」とほとんど具体的なトラブルにも解決策にも触れずに長文をだらだら書いてる企業もある。

*4:未だに終身雇用が幅を利かせている日本では、これはぜひとも知りたいところ。でも、IRを採用情報ページに出してる企業は見ない。なんでだろう。

*5:労働に見合った給与かが大切な気がする。仮に非人道的な環境であっても、それに見合う給与なら応募する人はいるだろうから。