ジークフリート
を新国立劇場でやっていたので見てきました。
新国立劇場に観劇に行くのは、確か3年前の蝶々夫人以来(殴
ニーベルング族のミーメに育てられたジークフリートは、無双の豪傑。ミーメが修復を諦めた名剣ノートゥングを自ら鍛え直し、ニーベルングの指輪と隠れ頭巾を狙うミーメにそそのかされて、それらの宝物を守る大蛇ファーフナーを倒しにナイトヘーレの森の奥へ向かう(第一幕)。ファーフナーを退治したジークフリートは、ファーフナーが流した血によって鳥の声を聞き、人の邪心を読めるようになる。この能力によって、宝物を手に入れたジークフリートを毒殺してこれを奪おうとするミーメのたくらみを見破り、彼を切り倒す。更に、小鳥に導かれて岩山に眠るブリュンヒルデに会いに行く(第二幕)。道中、立ちふさがるさすらい人を倒し、ブリュンヒルデを目覚めさせたジークフリートは、彼女を手に入れる(第三幕)。
というお話。
以下演出とかのネタばれ込みの感想。
4階のZ席という天井桟敷端の学生席だったので、ちょっとオケの音が聞きづらく、いまいちワーグナーな迫力が聞こえませんでしたが、歌手がかっこよく歌っていたので大満足です*1。っていうか、三日おきとはいえ、アレだけの量をきちんと歌いきる歌手たちは、それだけですごく格好いい。ああいうのがプロっていうんだなーって思います。
幕ごとの休憩が50分と45分と長く、3幕のオペラに6時間を費やしても、損した気分が全くしません。
それとは別に、演出がいろいろと格好よくて割と興奮しています。
セットを全体的に縦横に歪ませて、距離感というか平行感を失わせているのが、見ていてぞくぞくします。ジークフリートにスーパーマンのTシャツを着せるとか、ブラウン管テレビに映像を写してクイズ番組にするとか、ナイトヘーレの「Vacancy」とネオンで書かれたモーテルっぽい宿とか、ジグソーパズルのCG*2とか。細かいところにまで気付かされます。その一つ一つにひょっとしたら意味があるのかもしれませんが、見ているだけでワクワクしてきます。客を引き込んでワクワクさせるプロは偉いと思います。暗幕にうつす炎に萌える文字がドイツ語のままなのが気に食いませんけどね。
笑いどころもあります。1幕で名剣ノートゥングを鍛えるシーンが三分クッキングでゼリー作りになっていたり*3、2幕の邪心が読めるシーンで本音を喋るミーメをテレビで放映したり。こういう場面でお客さんの笑いがいまいち入らなくて、失笑気味だったのは可愛そうでした。
一方で、3幕は全体的に白とステンレスが基調になっていて、それまでの混沌とした情景とは全く違う雰囲気をかもし出していて、楽しかったです。
話の構成が、1-2幕はいかにもな英雄誕生譚で、3幕からが次の「神々の黄昏」に続く作りになっているので、2つの空気の切り替えを生み出すこうしたギミックは、考えた人偉いと思います。
とっても楽しかったので、ぜひとも3月にやる神々の黄昏も見に行きたいです。