事前反省会、あるいは自主的に組織に参加する者の心構え

このブログは全世界に公開されているので、ざっくりと大まかな話だけ。
運悪く失敗することも人生において多々ありますが、起こるべくして起きた失敗のほうが、経験的には多くあると思います。
だからこそ、人類は失敗の上に学ぶことが出来るのです。
多くの失敗を起こしつつも全体として何とか乗り切れれば、あるいは「何とかなった」で済むのかもしれませんが、私としては乗り切れたらそれでよいのではなく、もっと楽に乗り切る方法を見つけるべきだと考えます。
というわけで、去り行く非才の身が、組織だってプロジェクトを進行させる皆様にお小言を。心当たりのある人は各自で反省するように(筆者自身も含む)。


1)上司は部下を監督したか
あまり上下関係をがっちり固定するのは私の好みではないのですが、組織を組織として機能させる以上、指揮命令系統というのは必要です。上下関係が一段しかない(部長と部員みたいな形)なら特に気にすることはないのですが、二段を超える(部長→○○係長→○○係××班長→○○係××班員)ならそれなりの工夫が必要です。私個人としては、二段も三段も必要なのかという気もしますが。
私としては、自分の前後の段とはなるべく密接にほうれんそう*1していると嬉しいです。大学のサークルとかなら「自分の管轄外の仕事」なんてあるわけが無いので、人手の不足しているところには積極的にヘルプに入るっていうのも大切です。
話がそれましたが、上司が部下の暴走を止めるのは「暴走してから」では遅いので、その動向をある程度把握しておかないと大変なことになるのです。時間制限のあるプロジェクトなら、なおのこと事前のリスク低減は大切です。


2)、部下は上司を立てたか
同様に、部下の人は上司を立てましょう。勝手な行動をとれば、かなりの自由度を得られる反面、失敗した際に組織の側からしてみれば突然災難が降りかかる形になるので、ダメージコントロールが大変になります。また、すっ飛ばされた上司の人も、不愉快な思いをするので良いことは何もありません。やりたいことがあるなら、きちんと監督する立場の人と相談しましょう。その際は、計画性や及ぼす影響、リスクなんかもきちんと説明してOKをもらうべきでしょう。監督する立場、調整役の人というのは、一人一人が点としてしか働けないのをいじることで、線にし、面にするのが役割なので、そこをすっ飛ばすと綺麗な前線が構築できずに戦線崩壊を容易に起こします。
ずるずると筆が滑るに任せれば、関係者同士がきちんと相談し、コミュニケーションをとり、話し合いをしていれば大体、失敗は起こりづらいはずなんですけどね。ただ、気をつけなければいけないのは、議論の際に「責任」を持ち出してはいけないということ。「もし失敗したら誰が責任を取るんですか」と相手に言うのは簡単ですが、責任を取ること自体にはあまり価値がないのです。それよりも、リスクがあると判断されるならば、それを回避し、避けられなかった場合の対応策を事前に練っておくべきでしょう。


3)見通しが楽観的過ぎないか
リスクマネジメントの世界を耳学問する限り「リスクの発生頻度」と「リスクが発生した時の影響」は独立に評価するべき問題のようです。
つまるところ「きっと上手くいくよ!」という楽観的見通しは「リスクの発生頻度」にしか影響を及ぼさないので、見通しの楽観悲観によらず「発生した場合」の対処というのを考えるべきなのです。タイムリミットがある中で時間と手間のかかるものを作るのは、悪いことではありませんが、最低限、雲行きが怪しくなった場合にどうするかを考慮するべきだと私は思うのです。
大抵のことは調節できるのですが、時間の流れだけは絶対に調節できないので、時間を基準に物事を考えると意外と上手くいったりします。


4)計画性を持ったか
素朴なリスク低減策としては、頭の中でだけでも優先度を決めておいて、諦めるラインを予め設定し、そこに達したら潔く諦めて予め考えておいた善後策を採るとかが考えられます。そういう、引き返すライン、別の手段を考えるラインを設定しないとクラウゼヴィッツが大喜びしてしまいます。
で、私はそういうのを計画性というのではないかと考えるのですが、どうでしょうか。綿密なプラン、細かなタイムテーブルを組むのを計画性と考えている人が多そうですが、私が思うにそういうのって面倒くさいです。そういうミクロなものはどうせ調整しないといけないのですが、危険なラインを引くくらいならば気軽に出来るんじゃないかなって思います。
イムリミットが近づくにつれ、打てる手はどんどん減っていくので、早め早めの行動が何より肝要です。作成に時間がかかるものは早いうちに仕様を決めないといけません。早めに仕様を決めてしまえば、予行練習することも可能です。


5)自主性を持っていたか
自主性っていうのは意外と大切です。口をあけてぼぉっとしてるうちに情勢が悪くなったとたんに慌てだし、これまで仕事をしていた人たちを糾弾し始める阿呆というのは、世の中にはたくさんおります。そんな連中に文句を言う資格は無いと思いますが、ある程度の数がいるのは仕方がないのです。しかし、こういう人たちの率が上がると、働きすぎの人たちと怠けすぎの人たちの差が開きすぎて不公平感が生まれます。面倒くさくとも、自分たちで仕事を見つけては引き受け、積極的に参加するってのは、文句を言う資格を得るのと同時に、不公平感をなくし、リスクも低減するので、非常に大切だと思います。


6)全力でやったか
全力でやるというのは、自分に対する言い訳をへらす効果があります。もーちょっと頑張ればよかったなーなんて思ってるうちは、永遠に上手くいかないんじゃないかなって思いますよ。
まあ、上司と部下の関係で上司が盆暗だと、部下は当然上司を舐めてかかって手を抜きますが、そこで「手を抜く」よりももっと生産的な手段に出たらいいんじゃないかと思います。
「本気の俺はもっと強いぜ」っていうのは、主人公にあっさり負ける敵役の決め台詞でしょう?


7)得るものはあったか
どんなプロジェクトにせよ、やる人間に得が無ければ士気は低減する一方です。サークルみたいに金を払ってまで参加するプロジェクトなら、自分になんかメリットを得るように立ち回りましょう。可能ならば、後進たちが得するような立ち回りをしましょう。
疲労感というか、徒労感が残るのは、何かが間違っています。
もっと楽しめるにはどうしたらいいか、常に問いながら行動すると、楽しいかもしれません。



なんかもっと色々書こうかと思っていたわりには、何を書こうとしていたのか忘れてしまったので、とりあえずここまで。

*1:言うまでも無いけど報告・連絡・相談