METIの辞書に「訓練」は無いらしい

ちょっと前の記事になりますが、経済産業省METI)が、福島での原発事故を受けて、他のところでの対策を練るようお達しを出し(参考)、それらが達成されたのを見て大臣が談話を出したりしました(参考)。
対策や談話の趣旨としては、何があっても水素爆発が起きないようにするのでもう安心ですよ、ということなのだと思うのですが、これって福島の事故が起きる前の「原発は事故を起こさないので安心ですよ」と何が違うんでしょうね。

  1. 思ったよりでかい災害が来た
  2. 住民の避難などで混乱がおきた
  3. 予備電源の電圧やプラグが合わなかった

万全の備えをしていた福島原発でさえ、記憶を頼りに数え上げるとこんな感じの問題が起きていたのです。水素爆発が起きない準備、は結構なのですが、機材を整えるだけでは、現に事故がおきてしまった以上、心もとないのです。
というわけで、私としては、原発を再開する前に、是非一度訓練をしてみたら良いんじゃないかと思うのです。一回事故がおきたら、半径30キロ圏内はシッチャカメッチャカになることは分かったので、出来ればその半径の内側の全住民を動員するくらいの勢いで。
これまでも、発電所の内部での訓練はされてきました。現に、作業員の人がドリルで建屋の天井に穴を開けて水素ガスを逃す訓練をやって安全だと判定されています。でも、じゃあ住民の人たちは訓練をしていたのかというと、そういう話はついぞ聞きません。
まあ、影響が大きすぎるし迷惑だから、というのもあるのでしょうが、結局わたしたちの心にある不安というのは「万が一事故がおきたらどうなるんだ」というものであり、それに対する返答が「もう事故は起きないから安心しろ」ではいけないと思うのです。答えになってないから。
せめて「事故がおきても全員無事に逃げられるから安心しろ」としてほしい。そうなって初めて「国が責任を持つ」という言葉が生きてくると思うのです。ついでに、国が費用を持って避難訓練をしてみればいい。できれば土壌の入れ替えまで訓練すればなお安心。
まあでも「国の全額出資で避難訓練するなら再開させてやってもいい」なんてことをお上に言える知事は居ないだろうなぁ。