福島第一の2号機で検出されたキセノンその他は、臨界とは関係ないものらしいです(読売)。いや、おかしなことになっていなくて、本当に良かった。何もしていなくても核分裂が起きるのは当然(そもそもU235とかはそういうもの)なのですが、それが設置した計器でどのように観測されているのかというところまでが勘定に入っていなかったらしいです。何その期末テストでやらかしそうなミス。
最初からきちんと計算しておけよと思う一方、そういった数値の予想といったところまで手が回らない状態なのだろうなという気もします。そもそも原子炉が3基もいっぺんにメルトダウンを起こすことなど予想できなかったわけですし、東電の抱えている技術者(およびよしみのある研究者)の数も限られているわけですから、現場がサボっているとか東電が間抜けとかそういう話ではなくて単純に人手が足りないのだと思います。そのうえであえて、不正確でも速報を流したことは、よいことだと思います。
そもそも、事故を起こした肝心の原子炉本体を見に行けない状態で、原子炉本体に加えて事故終息のための浄水器や熱交換器といった膨大なプラントが、元々の設計にない状態でつなげられているわけですから、全貌を細かに知っている人の数などたかが知れているわけです。そもそも、原子炉の中をのぞけないということは、温度や圧力といった数字から「きっと中はこうなってる」程度の予想しかたたないわけですから、細かい予想を立てること自体が難しいと思います。
ただ、幸いにして今わかっているデータでは、原子炉の温度は3つとも下がり続けているので、特段危ない状況ではなさそうだというわけです。3つの原子炉には、今現在同じくらい水を注いでいるのですが、それぞれ温度の下がり方にはばらつきがあります。つまり、3つとも中の状態はちょっとずつ違っていると思われます。私個人は興味本位で中の様子を早く見たいのですが、工程表を見る限り、数年後になりそうです。慎重にゆっくりやってほしいです。


そういえば、東日本大震災で発生したがれきの処分が、東京都で始まりました(毎日)。私、現都知事は大嫌いなのですが、全国に先駆けてがれきの受け入れを始めたことは支持したいと思います。放射性物質が付いていないことは事前に調べているわけですし、そもそも事故を起こした原発からは遠いところのがれきの処分が問題となっているのですから、他の府県も東京との姿勢を見習ってほしいと思います。