トンネル事故のあれ

亡くなった方のご冥福はお祈りするとして、吊り天井式のトンネルが危ないんじゃなくて造ってから修繕してないところが危ないのであり、冗長性に欠ける設計がいけないんだと思います。
地下鉄の駅の天井なんかも吊り天井式なのですが、ああいうのは天井から複数の金具で吊り下げられているので一本や二本抜けたところで落ちてくるようにはできていないはずです。また、板はプラスティックなので落ちてきてもそれほど痛くないはずです。
一方で、崩れた中央道のトンネルの吊り天井は、トンネルの外壁にT字の鋼材をねじ止めし、そこから金具を降ろして天井板をつっている構造でした*1。これだと鋼材が外れるとそれに載っている全ての天井板が一度に落ちてきます。コンクリートの天井板は1.2トンあったそうなので、そんなもんが落ちてきたら車は潰れてしまいます。きちんと天井側のボルトも検査するか、もう一本補材を入れて天井側が外れてもすぐには落ちてこない構造にしていれば、事故は未然に防げたかもしれません。
報道によれば全国の吊り天井式のトンネルが検査されているそうですが、吊り天井に限らず作ってから検査してないところが劣化していないか調べてほしいと感じました。

*1:中央自動車道笹子トンネルにおける天井板取付ロボットについて:三浦哲司・直野正和、電算機利用に関するシンポジュウム講演概要Vol. 6 (1981)より