詐欺の被害額が併せて487億

「特殊詐欺」というのがいまいち普通の詐欺とどう違うのか判然としませんが、オレオレ詐欺こと振り込め詐欺金融商品架空請求などの特殊詐欺の被害額が過去最悪の487億円だそうです(時事通信のリンク)。毎年コンスタントに200億円以上被害にあっているのを見ると、馬鹿になりません。
振り込め詐欺」と言いつつも、金の受け渡しは銀行振り込みよりも直接赴いて現金を受け取るケースの方が多いというのを見ると、銀行の窓口で注意喚起をして未然に防止する策が有効で、これを回避するようになってきたということでしょうか。
振り込め詐欺に限って言えば、ある親族を名乗る人物から電話がかかってきたとしても、自分から確認の連絡を入れれば基本的には嘘だとばれるわけです。なにしろ、相手は名乗っているだけでその親族の電話や携帯電話を持っているわけではありませんから。ところが、そういうことがとっさにできない人、というのが意外と多いのだと思います。


ところで、航空会社のマイレージクラブで先日、不正アクセスで溜めたマイルを勝手に使われていたという事件がおきました。ウェブ上の認証システムを破られて勝手にログインされたのです。もっとも現代においては、お客様番号が数字10桁 + 暗証番号4〜6桁では全く安全性がなく、特殊な技術など無くと難なく突破できてしまいます。何しろ、特定の人物のお客様番号と暗証番号を当てるのではないですから、適当に数字を入れていってたまたま当たったところを見つければよいのです。14桁の数字も「お客様」が2千万人、つまり7桁もいるわけですから、適当に1千万通りの数字を入れれば一回くらいは当たりを引ける感じになります。一日に3万通り試していっても一年で一回は当たりを引けそうということです。さらに、お客様番号の10桁もランダムに決められているわけではなく規則性があることや、暗証番号4桁では誕生日などを使う人が多いことを考えれば、単純に14桁の数字を当てるよりも簡単に当たりを引けてしまうのです。この、数字だけでは不正にアクセスされやすいという弱点についてはもう10年来指摘されてきたのに全く改まってこなかったのです。航空会社がシステムを変更するのを面倒くさがったとか、改修に費用がかかりそうで難しかったということもあるでしょうが、恐らく、マイルを沢山ためているお得意様がお金持ちで電子機器に不慣れな人が多く、危険を承知でもアルファベットを混ぜるとかパスワードを長くするとか、はたまた秘密の質問を設けるといった対策が難しかったことも原因の一つじゃないかな。