SHそりゃ不便だよ900i

バーベキューの帰りがけにドコモショップ渋谷店に行ってきました。
昨日の日記にも書きましたが、miniSDを携帯が読み込んでくれないのです。
携帯を買って一月にもなるというのに、どこもショップに訪れるのは初めてです。
なんでも工事中とのことで、店の機能はすべて二階に集約されているとのこと。
なるほど、エスカレータを昇りきった踊り場に受付のボックスがあるあたり、
かなり手狭なようです。
「何か御用でしょうか?」
さすがは天下のNTTグループの受付嬢。
身だしなみもきちんとしており、タイミング、口調ともにそつがない。
miniSDカードに保存したデータが、読み込めないのですが」
私は、問題の手順を実演してみせました。
ツール → miniSD管理 → インポート → イメージ
昨日と同様、「データがありません」と表示されます。
「ちょっとお見せください」
いじくること約三十秒。
「ご覧ください。マルチメディア → イメージ → サブメニュー → 本体⇔SD切り替え、
の手順を踏んでいただけますと、SDカードからも読み込めます」
受付嬢は勝ち誇ったような顔と口調で教えていただきました。
どーだ見たか。あなたのような素人が毎日やってくるおかげで、
簡単なトラブルシューティングくらいならあたしにもできるようになったのよ。
「では、私がやった手順では読み込めないのはナゼですか?」
受付嬢は私が認識するよりも早く順番待ちのカードを渡すと、次のお客の対応に回りました。
順番待ちのソファーに座って置いてあった20世紀少年を読んでいると、
故障対応係りと思しきお姉さんがやってきました。
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (8) (ビッグコミックス)
「お客様、修理のご相談とお伺いしておりますが」
「そうなんです、miniSDに保存した画像をインポートできないんです」
「十分から十五分ほどお待ちください。機械で検査にかけます」
お願いします。昨日初めてSD使ったばっかりなので、壊れているとすれば初期不良ですよね?
それにしても、検査に際して携帯のデータが飛んだときのために、
電話帳のバックアップを無料でやってくれるあたり、
ドコモは大手企業の度量を見せてくれます。
携帯電話のサービスは、日本が世界一だそうです。
待つこと十五分。20世紀少年は二冊目を読み始めたあたりです。
「お待たせいたしました。お客様の携帯電話に異常はございません」
それはよかった。
実は内緒にしていたけれど、一度洗面台の中に落として少しぬらしちゃったんです。
あと、最初にSDカードを入れるときに、上下逆に入れちゃったのですけれど、それが原因ではないんですね。
「このように操作していただければ、カードの中身を取り出すことができます」
その操作とは、マルチメディア → イメージ → サブメニュー → 本体⇔SD切り替え。
・・・・・・さっきと同じじゃないか!
「それでは、私がやった手順は、何をするためのものなのですか?」
だって、ツール → miniSD管理 → インポート → イメージ という操作をしても、
miniSDに入っているイメージをインポート、すなわち取り込むことができそうじゃないですか。
それなのに、取り込めないどころかデータがないって、どういうことでしょう。
「・・・・・・少々お待ちください」
待つこと五分。
「お待たせしましたお客様。お客様の操作は、携帯電話を買い換えられた際などに、
データの引継ぎなどをする場合におこなわれるものです」
そうなんですか。
ということは、まったく別の人が使っていたSDカードを差し込んだときとかに使われるものなんですね。
「そういうことになります」
でも、昨日友人のSDカードを差し込んだときも認識してくれなかったんですが。
「・・・・・・しばらくお待ちください」
一度気になりだしたらとことん気になる性格が、店員のお姉さんに災いしました。
やがて、上司らしきおじさんを伴って、お姉さんは帰ってきました。
「大変お待たせいたしました。お客様がお持ちの携帯電話の使い方について、何かトラブルがあるとか」
・・・・・・最初からやり直せと?
私は最初から説明しなおしました。今度は、電話帳で実演してみます。
「電話帳を開きます。サブメニューで、miniSDにコピーをします。
miniSD → データ参照 → 電話帳 と操作すると、確かにコピーに成功していることが確認できますね」
ドコモの店員さんは、真面目にうなづいてくれます。
ソファーに座った客に対して、床に片膝をつく姿など、真摯そのものです。
お姉さんたちの服装が、フリルのいっぱい付いたお仕着せとかだともっとよいですが、
そんなものは些細な贅沢です。それより、問題はここから。
「ところが、ツール → miniSD管理 → インポート → イメージ とやると、ほら、データがないといってくるんです」
「・・・・・・しばらくお時間をいただいてよろしいでしょうか」
やっぱりそれかい!
再び20世紀少年を読むこと約五分。
ここまできたら、地の果てまで原因を究明してもらう覚悟でした。
「お客様。わかりました」
その顔はまるで「隊長!怪獣の弱点がわかりました!」といってくる影の薄い研究員。
嬉しいんだか嬉しくないんだかよくわかりません。
きっと、迷惑な客の厄介払いができるめどがついたと思ったのでしょう。
「お客様の操作は、パソコンからminiSDに移したデータを携帯で読み込むためだけの機能です」
そうだったのか!っておい!ずいぶん無駄に限定された機能だなそりゃ。
「ご覧ください、お客様もお持ちと思いますが、取扱説明書のこの部分にそう書いてあります」
それは、良くぞ見つけたといいたいくらい簡素な、四行ほどの説明でした。
パソコンからminiSDに保存したデータを携帯電話上で読み取るには、ツール → miniSD管理 → インポート と操作してください。
特にそれだけの機能とは書いてありませんが、とにかくそういう機能なのでしょう。
インポートと書くくらいなら、そんなに限定した機能じゃなくて、SDの内部のデータすべてを取り込めるようにしてほしいな。
正味約四十分のすったもんだの挙句、三人の店員を巻き込んだ騒動は、なんだか釈然としない結末を迎えたのでした。