三重日記三日

夕べ早く寝てしまったせいか、太陽とともにおきてしまいました。
暑くなる前に、夕べ明かりが無かったせいで片付けられなかった食器やごみを片付けることにしましょう。
そうこうするうちに、隣の大学生の皆さんも起きだしてきました。
全員が雁首そろえてミニコンポの周囲に車座になり、ポルノグラフィティを聞きながらぼおっとしているところは、なんというか「音楽に聞き入る青年たち」と題をつけたくなるような風景画的光景なのですが、実際のところはただ単純に寝不足なだけのようです。
私たちの左隣に、どこからとも無く国籍不明の集団が現れ、小一時間程度で八棟のテントを円形に立ててテント村を作り上げたのには仰天しました。
愛知万博のついでにしては、ここは会場から離れすぎているのですが。
それにしても、この暑さはいったいなんなんでしょう。
日差しの下はもちろん、天幕の下さえ蒸し暑い。
時折通り抜ける海風が一時の涼しさをくれますが、涼風とは決していえたものではありません。
ナゼ泳がないか?
答えは単純。
海の中だと背中がじりじりと焼かれるんです。
そりゃあもう肌で感じられるくらい焼かれるんです。
日光、恐るべし。
というわけで、時間は夕方まですっ飛びます。
旅行参加者は昼間二手に分かれて、片方は荷物番、もう片方は近くの熊野市に行って食料と、夕べの課題となった懐中電灯の確保。
そういえば、夕べ怪談みたいなものを話し合った記憶があります。
私は「伏線がスルーされる話」をして、失笑を買いました。
みんな頭の回転が速いので、怖い話題をしようとしても伏線から落ちを推測してしまうのを逆手に取った新手の怪談のつもりだったのですが、失敗のようです。
何はともあれ、明かりは手に入りました。
料理も食べられないものではありませんでした。
おなかも膨れたところで、夕べ残念ながら結構できなかった花火大会を挙行しましょう。
そこへ、場内アナウンスが一本。
「お泊りのお客様に申し上げます。夜九時以降の音の出る花火、および打ち上げ花火は近隣の住民の迷惑になりますので、禁止させていただきます」
どうやら、夕べ夜中までどこかのグループが花火をぱんぱんやっていたのが、観光協会の逆鱗に触れたようです。
ちなみに、現在夜八時。
「・・・・・・大変だ!打ち上げ花火を全部打ち上げるぞ!」
かくして、ソ連軍の総攻撃みたいな花火大会になってしまいました。