飲み会にようこそ!

日記を書こう書こうと思いつつ、一向に日記をかけないのは、私が筆不精だから。書くべきことは山ほどあっても、ついついおろそかにしてしまう。毎日がエブリデイという謎めいた言葉が妙に説得力を持ちます。
さて、私がどうしてもなれないものが、この世に二つあります。なれないものはいくつもありますが、この二つはかなり密接に絡みついていて、時に致命的な失敗の種になります。
その二つとは、酒と酒の肴。
酒はもともと飲めない体質なので、肝臓をうらみつつグラスに一杯を目安にちびちびやるしかありません。
体質的に酒の肴に困ると言う話は聞かないので、私が酒の席で話題づくりに苦労しているのは、ひとえにコミュニケーションの技術力が不足しているからに他ありません。今日はサークルの飲み会があったので、一つ、話し上手の技をじっくり観察してみることにしました。
大体どこの飲み会にも、飲んでいる間中ぺらぺらと二時間も話し続けられる人がいますが、いったいどこからネタを持ってきているのでしょう。初対面が多い、この時期のサークルの飲み会では共通の話題など高が知れているはずです。にもかかわらず、そういった話し上手のかたがたは、どのような席でも話し続けられるのです。
コツの一つは、話題転換に見られます。あまり遠くの話題に転換せずに、前の話題にちなんだ話題をコンスタントに持ち出すようにしているようです。そして、新しく持ち出された話題は、必ず次の話題への伏線となるようなものになっています。さらに、先細りになるのを避けるために適時大きな話題転換を図ります。この技術が先天的なものなのか、長年の経験によるものなのか、非常に興味のあるところです。ちなみに私は、転換のタイミングと方向性に難があるようです。どうもとっつきにくい話題を提供しているようで、話し上手の方がすかさずフォローに入って別の話題を提供してくれること、しばしばです。
もう一つは相方をよく選んでいること。なるべくレスポンスが早く、ウィットの効いたことを言ってくる人を見て話しています。見ているとわかるのですが、話し上手の方はよく周囲を見回しています。どうもそれは「みんな聞いてる?話題変えようか?」であると同時に「誰が合いの手を入れるかな?」であるように思われます。そして、合いの手を入れそうな候補者には重点的に視線を集中させています。私はレスポンスのスピードとクオリティが不安定なために、定期的に「来るかな?」という視線を送られているような気がします。なお、話題についてこれないどころか一言も発せずに聞き役に回っている人は、見向きもされません。
しかし、おそらくもっとも大切なのは、言葉のキャッチボールではないでしょうか。話し上手の方は、どんな些細なことでもしっかりとキャッチボールをしているようです。訊ねられたら訊ね返す、あるいは即座に答えて出方を伺う。盛り上がる方向性を見出したら、すかさずそれに食いついて会話の主導権を握ります。対等なキャッチボールをしていたはずなのに、いつの間にか相手がキャッチャーになっているという現象が、まま見られます。どうも私は、ボールの投げ方が悪いらしい。対等なキャッチボールをしていたはずが、いつの間にか相手が外野になっているような気がします。
さて、酒に酔ったふりをしながら、会話の技術を盗むこと一時間。そろそろ、実践編としゃれ込もうじゃないですか。おもむろに向かいの席の友人とアイコンタクト。換わる?続いてボディーランゲージ。換わろうか?よし、換わろう。
と言うわけで、座席交換終了。やあみんな!楽しんで飲んでる?
「あ!先輩ちょうどよかった!なんか面白い事言ってください!」
ちょっとまて!何だその抽象的にして難易度の高いリクエストは!
酒宴を楽しめるのには、まだまだ時間がかかりそうです。