センター街にようこそ!

渋谷に街宣車があふれていると思ったら、今日はみどりの日でした。昭和末期に生まれた世代には、みどりの日昭和天皇の誕生日ということを思い出すのに時間が必要です。
世の中便利なことに、日本全国津々浦々にあるdocomoショップには、充電コーナーなるものがあります。おそらく、街中のコンセントで携帯を充電する盗電が一時期社会問題化したことへの対策でしょう。渋谷のお店には、二十台ほど充電器が並んでいるのでした。
充電している間に、下の通りでは街宣車日章旗を振りかざしています。一台二台なら見慣れたものですが、3,4台を1グループにして4,5グループくらいが走っているとなると、なんだか怖い。しかも、一定のコースをぐるぐるループしているらしく、しばらくするとさっき通り抜けたグループがまたやってきたりします。
さすがにそれだけ大規模となると、docomoショップ渋谷店の前は丁字路では警察のバスが控えていてなんだか物々しい感じになっているのでした。ふいに「バッキャロー」という拡声器の声を聞いたので何事かと思ったら、眼下の交差点では金網を張ったバスとジープ、それに折りたたみ式の鉄柵で街宣車を左折させないように交差点を封鎖しているではありませんか。どうも街宣車の皆さんは、電力館の方でもなく、渋谷駅のほうでもなく、NHKのほうへ行きたがっているようなのです。NHKが変な番組でも流したのでしょうか。
任意の第三者という身分をかなぐり捨て、野次馬その1に変身した私は、充電を終えた携帯をポケットへねじ込むと、封鎖線がどこまで続いているのか試してみることにしました。そしたら意外や意外、どうも警察が守っているのはNHKではないようです。スタジオパークの前で行われているメーデーでもないようです。と、三周目を走り終えた街宣車が、封鎖線の中へと入ろうとする路線バスの真後ろという絶妙のポジションをゲット。車間をつめ、自らも封鎖線の中へと入ろうとします。何とか路線バスだけ封鎖線の中に入れようとする警察と、街宣車の長い駆け引きが続きます。そのうち、後ろの車がスタックしてさらに後続の街宣車が追いつきます。おもむろに街宣車の一台が叫びます「勤労福祉会館をブッツブセー!」。すると、後続の車もブッツブセーの大合唱。どうやら、彼らの目的地は渋谷の勤労福祉会館のようです。任意の通行人に戻った私は、妙に車どおりの少ない封鎖線の中を勤労福祉会館へといってみます。すると、おお!いっぱいのおまわりさんと景気の悪そうなおじさんたち!*1何があったのかは知りませんが、きっと何かがあったんでしょう。
警察は路地の一本にいたるまで鉄柵で封鎖して、車を福祉会館まで近づけないようにしています。車の一群はセンター街の中まで入ってきていました。
渋谷センター街といえば、渋谷系の皆さんが24時間365日生息している印象がありますが、実はそうではないようだということに今日気づきました。どうも休日の午前中は小中学生以下が多いようです。お昼をピークに13時を回ったあたりからお子様の数は減り、代わって制服を着た人たちの数が増えてきます。濃いメークと派手な服で一世を風靡した渋谷系の皆さんは、夕方になってから目立つようになります。なお、6時を過ぎたあたりから飲み屋に向かうスーツ姿の人の数も増えます。ただし、かたぎの人たちは終電に合わせて渋谷からいなくなるのに対し、派手な服の人たちは終電を気にしないのか、帰る気配を見せないので相対的に渋谷系の方々の割合は時間とともに増えることになります。日が高いうちは「あ!あそこにいる!」と言う程度しかいないのに、夜になると私のような普通の格好のほうが小数になると言うのは、なんとも不思議な印象です。昨日の飲み会は2次会の途中で終電のために退席となったのですが、私が乗った電車からこれから渋谷に繰り出すであろう元気いっぱいの渋谷系のお姉さんが出てきたときには、正直言って驚きました。
今日もう一つ驚いたのは、渋谷系の外国人を発見したこと。白人の、20代から30代と思しき渋谷系の女性が一人、歩いていました。思うのですが、どうもアングロサクソンの方たちに渋谷系の格好は会わないのではないでしょうか。元が色白なせいで、黒っぽいメークをすると顔色が悪く見えます。背が高くてやせているのでなんか頼りなげです。センスの問題なのか、服が全体的にシックな配色になっています。早い話が、日本人の渋谷系が異様で怖いのに対し、白人の渋谷系は幽鬼のようで怖いのです。見慣れていないだけかもしれませんが。

*1:あくまで私の受けた印象です。