ボイトレとDJ

放課後、無事に実験を終えた私は、オペラのボイストレーニングを受けてきました。ボイトレの先生は小柄なおばさんで、とりあえず発声のイロハから時間の許す限り教えてもらいました。腹筋の使い方とかがとっても難しいのと、音程を探らずにダイレクトに音を出さねばならないのが大変。現在バスのパートをやってますが「テノールの低いほうか、高いバリトンでもいいんじゃないか」だそうです。う〜ん、複雑。
いずれにせよ、音を出せる範囲がfから一オクターブ上がった先のdまでで、eまで行くと明らかに声が裏返ります。しかも、e自体が長時間出せるわけじゃないので、安定して出せるのは実質cぐらい。にもかかわらず、最近不安定ながらも下のeが出るようになってきたり。人間ののどって不思議です。
今回やったのはコンコーネという練習用の楽譜。練習用だけあって、ものすごい練習になります。フラットが一箇所だけナチュラルになってたりして、鍛えられますね。ど素人が練習しているので先生にメコメコにされたとも言いますが。
そのあと、大学のクラスメイトがDJをやっているクラブに遊びに行ってきました。恵比寿にある地下一階と二階を利用した、小粋な感じのお店です。
私はオペラのボイトレがあったので、友人のパフォーマンスに三十分ほど遅刻。地下一階と二階、フロアが二つあって、友人は一階のところでパフォーマンスしていました。友人の必死の宣伝の甲斐あってか、フロアの客の半分はクラスメイト。明らかに場慣れしてない感全開の人が何名かおりました。もちろん、私もその一人です。
地下二階では別のDJが違った音を出していて、そこでは軽食が食べ放題。ソファーなんかもあって、一回で疲れた人の休憩場といった位置づけになっていました。
私が気に入ったのは、二つの階を結ぶ階段。間に扉がなく、九十度に曲がる踊り場が一つあるきりなのに、お互いの音がほとんど干渉しあいません。壁にさりげなく貼られたスポンジがミソ。三角形の山が彫られていて、そこで音の反射を防ぐ仕掛けなのです。さすがに強い最重低音は通してしまいますが、ほぼ完璧な防音効果といって差し支えないのではないでしょうか。ミステリのトリックとかにも使えそうです。

名探偵:「さて皆さん、引越しに必要なものといえばなんでしょう?一つは箱、もう一つは、箱と荷物の隙間を埋める衝撃吸収材です。今回の現場では、エアーマットではなく、ごく普通のスポンジが使われました。スポンジは衝撃を吸収しますが、同時に音も吸収します。そう。犯人は階段にスポンジを貼って音の吸収材とし、一回で被害者を射殺する音を、階上にいる人に聞こえなくしていたのです!」

・・・・・・所詮妄想です。てか、私が気づくぐらいだから、きっとどこかの作家が一度は使ったネタのはずです。
私はクラブに行ったことがないので、果たして彼のパフォーマンスがどれくらいのレベルなのかはわかりませんでしたが、楽しいのは確かでした。明日大学がなければきっとお酒を頼んでいたことでしょう。
この日、DJのパフォーマンス以外に歌手デビューするとかいう女の子のライブもやっていました。3曲とトークだったのですが、どうもあの手の天然(?)キャラは好きになれません。もっとはっきりきっぱりとトークして欲しいな〜とか思っていたら、やっぱり微妙に滑っているような気がしました。私は歌手ではないので、デビューするという心意気だけは真似できませんが、デビューするからにはもっとトークとかにも気を使った方がよいと思います。あと、連れてきたエレキギターの人が音を出させてもらえていないのはどういうことかと。店か事務所の不手際なのか、実力からしてやらせない方がよいのかはわかりませんが、弾くまねだけならいるだけ無駄なんじゃないかとちょっと思ったり。お二人の今後のご発展を祈るばかりです。