一度書いてみたかった

注意

  1. これはお遊びで書きました。
  2. 本番前にまじめな気分でいたい人は読まないほうがいいです。
  3. 私は正気です。*1
  4. 面白さは保障しかねますが、万が一つぼにはまっても責任は取りません。
  5. 元ネタは平野耕太と某歌劇団です。












諸君 私はオペラが好きだ
諸君 私はオペラが好きだ
諸君 私はオペラが大好きだ


弦楽器が好きだ
管楽器が好きだ
打楽器が好きだ
女声が好きだ
男声が好きだ
高音が好きだ
低音が好きだ
演技が好きだ
舞台芸術が好きだ


アメリカのアパート*2で  パリの至る所*3
セヴィリアの街中で   ウィーンの屋敷で
スウェーデンの王宮*4で  古代のエジプトで
イタリアの古城*5で    シチリアの村で
ロシアの片田舎で    明治の日本で


この地上で行われる ありとあらゆるオペラが大好きだ*6


楽器を構えたオーケストラが 静謐の劇場に音を響かせるのが好きだ
すべての音色が 一つになって体に降り注ぐ時など心がおどる


機械音とともに幕が上がるのが好きだ
人知の限りを尽くした小さな世界をホリゾントが彩る様を見るのは胸がすくような気持ちだった


人々が歌い踊るのが好きだ
一見自由でなおかつ一糸乱れぬ統制された動きなど感動すら覚える


アリアに聴衆が引き込まれて身を乗り出す様などはもうたまらない
幕間の休憩に沸きあがる安堵と興奮の渦中で 一曲一曲が脳裏で繰り返されるのも最高だ


終盤のクライマックスへ向かう大きな流れの中で
舞台中央から繰り出された高音が輝く様など絶頂すら覚える


荘厳な和音に抱擁されるのが好きだ
半音間違えて長調だか短調だかわからなくなってしまったときは とてもとても悲しいものだ


すべての演奏が終わり、万雷の拍手が鳴り止まないのが好きだ
お愛想と嘲笑にも似たざわめきを受けるのは屈辱の極みだ


諸君 私はオペラを あとにも先にもない様なオペラを望んでいる
諸君 私とともに歩む団員諸君
君達は一体 何を望んでいる?


更なるオペラを望むか?
情け容赦のない 糞の様なオペラを望むか?
視覚聴覚の限りを尽くし 三千世界の胸を打つ 嵐の様なオペラを望むか?


「 オペラ!!オペラ!!オペラ!!」


よろしい ならばオペラだ


我々は満身の力をこめて今まさに音を奏でようとする楽器だ
だが第四会議室で半年もの間 堪え続けてきた我々に ただのオペラでは もはや足りない!!


熱烈なオペラを!! 一心不乱で熱烈なオペラを!!


我らはわずか百人に満たぬ音楽好きにすぎない
だが諸君は 一騎当千の音楽好きだと私は信仰している
ならば我らは 諸君と私で10万の演奏者となる*7


煩雑な世界に疲れて 眠りこけている連中を叩き起こそう
髪の毛をつかんで引きずり降ろし 耳をほじって思い出させよう
連中に感動の味を思い出させてやる
連中に躍動の音を思い出させてやる


天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない事*8があることを思い出させてやる


愛の妙薬で12月16日を燃やし尽くしてやる*9


征くぞ諸君





*1:真顔で書いた冗談なので「こんなふざけたものを書いている時間が合ったら云々」の苦情は受け付けません。

*2:歌劇団員以外の方には、この並びは不自然かもしれない

*3:パリを舞台にしたオペラはホントにいっぱいある

*4:リッカルド版もあるけどアメリカがかぶるので

*5:イタリアの田舎にすると後が続かない

*6:天国と地獄みたいに舞台がこの世じゃないものも好きです

*7:書いてて思ったのだけど、10万人もの演奏者がいっぺんに演奏したら、かえってまとまらない気がする。

*8:あくまでいい意味であることを期待

*9:原文に忠実にするとミリタリー調が強くなっちゃうので中略