120GHz

高周波分野の展覧会に行ってきました。
高周波測定器とか、マイクロサイズのエッチング*1とかそういう実験関連の機器はもちろん、現在開発中の機材やシステムなども展示されてて面白いです。
NTTがNHKやフジテレビと共同開発している120GHz帯を使った放送技術が見ていて楽しかったです。
120GHzの何が凄いかと言うと、まず周波数が高いので5チャンネル分の情報を無圧縮で送れるということ。目下切り替えが進んでいる地上波デジタルテレビでは、情報を圧縮して送っているので電波を受信してもそのままテレビに映るわけではありません。つまり、テレビ局が放送した時点では「七時のニュース」は七時きっかりにスタートしていたとしても、実際にテレビの画面で七時のニュースが始まるのは、実時間よりもやや遅れていることになります。そうすると、緊急警報のような一秒を争うような事態に不便です*2
無圧縮で放送できればそのようなことはありませんし、一つの周波帯で送れるチャンネル数が増えれば電波資源の節約になります。
技術的には、周波数が高いと遠くまで飛ばせないのと、電波が回折しないので物陰に隠れると途端に映りが悪くなるとか、雨に弱いとかアンテナが小さくなって回路も性能が要求されて値段が高くなるとか、色々あるみたいですが、実用化できたら楽しそうです。

*1:ちっこいアンテナを作ったりする

*2:応用分野として遠隔医療のようにリアルタイム性が求められるものがあるようです