都市と写真

今日はちょっと写真が多いです。
バニャ・ルカの町は南西から途中で北に折れ、折れ目のところが少し膨れた形をしています。
この形は、南西から北に向かって流れるヴルバス川の西岸に沿って市街地が広がった影響のようです。
昨日ハイキングに行ったモニュメントは、住宅街が広がる市の南西側から、川を渡って少し南に入った山の中にあります。
私が住んでいるサモーチキ・ホテルは、同じく川を渡った市の南東部。
まだ町の北側へは行っていなかったので、今日はそちらに足を延ばしてみます。
まずはいったん市の中心へ向かいます。
職場への道なので、まっすぐ行くのは簡単なのですが、今回はちょっと寄り道をします。
日頃私が歩いている通りが不自然な形の丁字路*1で途切れているので、ひょっとするとその先に建設途中の道路があるのではないかと期待したのです。

で、その横の細い道路を少し歩くと・・・
あ♪

みーつけた。建設途中の道路。
別に建築系の学生ではないですが、こういうものを見つけるのってちょっと楽しいです。
両者の間には大した建築物も残っていないので、じきに予算がつき次第、つなげられてしまうのでしょうか。
まだまだここは成長途中です。
日曜ということもあって人もまばらですが、集合住宅がひしめいています。
卑近なたとえですが都営の団地みたいです。これを建設するためにこの部分だけ先に建設したのでしょうか。
大きな十字路を右に曲がると、小売の商店が立ち並ぶ地域に入ります。
車も人もとたんに増えます。500メートルと離れていないのですが、団地群とはえらい活気の差です。
団地群から一キロほどで川を渡ります。対岸には、ローマ時代からの古城が建っており、旧市街への入り口として時を刻んでいます。
もっとも、この城は風化が進んでいるため、補修を兼ねて博物館を内部に作る計画だそうで、城壁の内部はがらんどうです。
古城を右に坂を上ったつきあがりが、市の中心を貫く大通りです。
これを北東に進み、日頃の職場の前を通り抜けます。
この道路に並行した裏通りは、オーストリア帝国時代の建築物が軒を連ねており、保存地区として商店街になっています。

対照的に、私が歩いている本通りは、バニャ・ルカの顔として大型の行政施設や公園が連なっています。
市役所のある旧市街をぬけたころ、スルプスカ共和国の真新しい政府庁舎が顔を見せます。
ガラス張りの高層ビルで、ここだけ切り抜けばロンドンやパリに見劣りしないといっても過言ではありません。

悪く言えばふた棟しかないのですが。
そこからさらに五キロほど歩くと青空市がひらかれてました。どこへ行ってもキュウリ、トマト、メロンにスイカ、ピーマンが山のように売られています。ここではほかにも、中古の自転車やら錆びたモーターやら、いろいろ面白そうなものがたくさん売られていました。テレビのリモコンだけとか、どこから拾ってきたのでしょう?
そんな青空市を抜けると町の来たの端、バニャ・ルカ駅に出ます。
建物の面構えは社会主義的で立派なのですが、ダイヤは1時間に一本程度*2。それでも「ザグレブサラエボ行き」のような国際列車が走っていたりして「おお!オリエント急行!」とか思ったり思わなかったり。

2か月もいるのですから、一泊二日でどこかへ列車で行ってみたいものです。

*1:幹線道路級の太さなのに、信号もなく空地の正面で終わってるって、気になりますよね!

*2:しかも構内信号はおろかタブレットの類すらないです。どうやら電話連絡だけで閉塞を確認しているようです。