エンジニア魂

日本が打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」。来年、地球に帰ってくる予定なのですが、先日、エンジンがぶっ壊れたというニュースが飛び出てきました。
はやぶさには4台のイオンスラスターエンジンがついており、そのうちの2台は初期不良や中和器の劣化*1で運用停止。残った2台で運航していたのですが、とうとう残りのうちの1台までもが中和器の劣化で停止。地球に帰るためには2台分の推力が必要なので、このままでははやぶさは地球に帰ってこれません。
さあ困った、と一部の人たち(主にJAXAと天文マニアの人たち)が大騒ぎ。はやぶさはこれまでにもリアクションホイール*2が3基中2基壊れたり、化学エンジンが燃料漏れを起こして動かなくなったり、電池が壊れたりと、まあとにかく色々壊れていた*3ので「はやぶさの運命もこれまでか」と一部のせっかちな人は思ったとか思わなかったとか。


そこへ「多分こんなこともあろうかと思って」と現れた真田志郎*4みたいな人がおりました。その驚くべき方法とは、壊れた2台のエンジンの無事な部分を使って1台分の出力を確保するというもの。
いや、原理は分かりますよ。でも、これは、2台のエンジンの回路が繋がっていないとできないとできない技です。はやぶさのエンジンの設計者はここまで見越していたのでしょうか?


まあ、なんにせよはやぶさは「まだ」生きている。ここまできたら、無事に帰ってきて欲しいです。小惑星のサンプルも、無事に入ってるといいなぁ。

*1:イオンエンジンは、キセノンガスをプラズマにして動力にしており、電子を放出してプラズマを中和する装置が入っている。

*2:期待の傾きを制御する機械

*3:そもそも、当初の予定では一昨年の夏に帰ってくる予定だった。

*4:宇宙戦艦ヤマトの工場長。手足がビスで止まっている。この台詞は一回しか使われていないらしいが、出した場面が印象的だったためか、以来あらゆるエンジニアがピンチのときに秘密兵器を出す時の決め台詞となった。