津波警報と気象庁の謝罪

なにやら「気象庁は3メートルの大津波とか予想しといて1メートルちょっとだったじゃねーか」と苦情を言う阿呆が多かったのか、気象庁が謝罪したのだとか。
そういう苦情を言っている人は、現代の科学をもってしても、明日の天気ですら正確に予想できないのに、50年に一度あるかないかの大地震とそれに伴う津波の予想を正確に出せるとでも思っているのでしょうか。
ちなみに、前回のチリ地震のときは、ハワイで10メートルの大津波が観測され、三陸で6メートルの津波が観測されました。今回、ハワイでは1メートルの津波が観測されましたから、全く同じなら確かに60センチ程度を予想しておけばよいのですが、自然災害相手に全く同じ比率と予想するのは無理があります。実際、届いた津波は60センチの2倍の高さがありました。
警報解除が遅いという指摘もあるようですが、太平洋は陸で囲まれているので、チリから直接届く波以外にも各地で反射した波がやって来ます。必ずしも一発目が最大とは限りません。スマトラ沖地震でも津波は複数回訪れたと聞きます。
もちろん、時間と予算をかければより正確な予想を立てるシステムを開発できるかもしれません。しかし、そんなもの必要なんでしょうかね。多分、津波の情報を必要としている人たちにとっては、それが1メートルの波か3メートルの波かではなく「逃げた方がいいのかどうか」のほうが重要だと思うのですが*1


今回、人的被害をゼロに抑えられたことについて、気象庁は誇ることはあっても実際に比して過大な予想をしたことを恥じる必要は無いと思うのですが、なぜ彼らは謝ったのか、不思議でなりません。
こういうときに大騒ぎする人って、予想が過小でも過大でも、結果からずれていれば文句を言うたちの悪い人っていう思い込みが私の中にあるのですが、どうなんでしょうね。

*1:津波をなめてはいけない。50センチの波でも捕まったら海の藻屑になる。