STeLA-Japan Symposiumに行って来た

「理系として生きる」をキーワードに冨田勝教授(慶應義塾大学環境情報学部)と竹井淳氏(Intel開発本部)が講演してくださいました。
冨田先生はインベーダーゲームの時代からゲーム開発を始め、渡米して情報系の研究を続け、帰国してからは慶應の山形キャンパスで生命系の研究*1をされる、その筋では非常に名の通った先生。竹井先生も無線通信から始めて衛星開発に携わり、今ではインテルに入ってる人です。
メモを取りそびれたので、講演の内容ではなくそれを聞いた私の感想をば。


理系は「研究者」という需要だけでなく「技術者」という需要や技術的なバックグラウンドを持ったリーダーといった需要をもカヴァーせねばならないのですが、「研究者」という点ばかりがクローズアップされていたり、あるいは日本の給与水準だと「技術者」の給料が割安*2で魅力的でなかったりするので、理系離れというのは社会的に解決すべき問題で、例えば東証一部上場の企業のトップは軒並みどこかの大学の法学部を出ていたりするような現状をどうにかせねばならない。
また、研究者をやるにせよ自分が興味を持てる対象を選んで専攻を決めていくべきだ。そして、できればテーマだけを決めて放置プレイをかましてくれる研究室に行くべき*3。これは、週一回のミーティングで細かく進捗を報告してはその都度新しい指示が飛ぶような研究室では、研究生が自分で考えて行動しないどころか何が自分に必要なのかすら把握できなくて結局は伸びなくなるから。
社会性はなるべく見につけるべき。よほどの実力を持っていない限り、見てくれや挙措を全く気にしない人は評価されない。


・・・こうしてみると日ごろ自分で考えていることばかりな気が・・・
まあ、お二人のキャラクタが面白かったからいいかな。

*1:シミュレータ上でノックアウト細胞を作るソフトウェアとか

*2:システムエンジニアの平均給与をシリコンバレーと比べると大変なことになる。

*3:幸いにしてうちの研究室は相談しない限り放任主義