ステージの上の秒速5センチ

研究室にはXYステージと呼ばれる台があります。
要は、プログラムに従って縦横自由に実験装置を動いてくれる台なのです。
アンテナをこれにくくりつけて、服の下に隠した武器などをレーダーで探知しようとかやっているのですが、この研究テーマをやっていた先輩は、今年の三月で巣立ってしまいました。
さすがに、実験装置を「誰も使えない」というのは問題があるので、とりあえず使い方だけでも現役のメンバーが理解できているようにしよう、ということになり、今日はみんなして試運転していました。


まずはLabViewを立ち上げて・・・と。
・・・


・・・


あれ?
動かないぞ?


電源を入れなおして・・・


マニュアルに従って動かして・・・


・・・


あれ?
マニュアルによれば「ステージが動くのが止まったら次に進む」と書いてあるけど、そもそも動いてすらいないぞ。


・・・


あれ?
さっきとステージの位置が変わってないか?


よく見てみないと分からないくらいゆっくり動いていたのでした。
それこそ、秒速五センチならぬ秒速五ミリくらいで。
なんでも、自動で位置調整をしているらしく、この秒速五ミリの移動が終わってからは機敏に動いてくれたのですが、マニュアルには「物凄くゆっくり動く」と書いてなかったので、てっきり最初から機敏に動いているものとばかり思っていたのでした。


と、とりあえずこれで、誰がこの研究テーマに割り当てられても大丈夫な体制にはなったぞ、っと。