岡山総合大会(1)

今週いっぱいは岡山大学で開かれる、電子情報通信学会総合大会へ出席します。
今日は岡山へ移動するだけなのですが、のっけから停電で新幹線のダイヤが乱れるなど、幸先の悪いスタート。とはいえ、さすがに山陽道まで来るとだいぶ暖かな陽気です。チェックインまで少し時間があったので、ちょっと小旅行。吉備線に乗って吉備一宮駅で降り、レンタサイクルを借ります。道中、なぜかフランス人と同行することに。
行先は、まずは吉備の国ということで、吉備津神社へ。ここは、鳴釜(なるかま)の神事という面白いものをやっています。お湯の沸いてる釜に玄米を入れると鎌が音を立てるのですが、その音の鳴りかたで吉凶を占うのだそうです。あくまで占ってもらえる人が「どう聞こえるか」が基準なので、同じ音でも聞く人によって結果が違う面白い占い。かつては終日かまどの火を入れっぱなしだったのだそうですが、建物が江戸時代前半からの文化財になってしまったため、今では防火のためにいったん火を他所へ移して毎朝沸かしなおしているらしいです。古代より続くという神事だそうですが、誰でも気軽に飛び入りで占ってもらえるらしいので、興味のある方は是非。

吉備津神社を出て、田んぼの中のサイクリングロードを数キロ走ると、造山(つくりやま)古墳を見ることができます。自然の丘陵を削り、成形して作った古墳で、日本で四番目に大きい古墳なのだとか。あまりに大きいので戦国時代には砦が築かれたり、現代ではふもとに町ができていたりします。

ちょっと見には丘なのか古墳なのかわかりません。
話は変わりますが、道中の説明はもちろん、サイクリングロードの看板もほとんど日本語表記しかなかったで、道連れになったフランス人のお相手もしました。なんでも、20年前くらいに日本の製薬会社に勤めていて、その後フランスに戻って社会保障関係の公務員になり、今年、晴れてフランスの電力会社へ勤めることになったので、久しぶりに日本へ帰って観光することにした、とのこと。20年ぶりにしては達者な日本語を話すのですが、さすがに解説文を読んだりする能力は残っていなかったそうです。途中、備中国分寺のお土産屋でようやく英語のパンフレットを見つけましたが、それにしても海外からのお客様に不親切。レンタサイクルのおじいさん曰く、レンタサイクルを借りる観光客の大半は外国人とのことですが、もはや翻訳する能力も伝手も、気力すらもないので、日本語のパンフレットのままなのだとか。うーむ、もったいない。
全行程10キロほどのサイクリングでしたが、結構楽しかったです。もっとも、田んぼは代掻きもしていないので、若干さびしい風景でしたが、季節が変わればもう少し見栄えがするのでしょうか。